人・組織のマネジメントにおいて個人の仕事の役割を決める原則とは?

ビジネス・フレームワーク

今回は、組織におけるメンバーの仕事・役割をどのように決めるかについて解説します。

個人のモチベーションを高め組織全体のパフォーマンスを最大化するポイントとは?

個人のモチベーションを高め、組織全体のパフォーマンスを最大化するポイントは、「個人の長所を活かし短所をカバーし合う。」ということに尽きます。

組織内の仕事の分担や個人の役割の決定においては、組織の事情が許す限り、各個人が得意なことをさせてあげる、各個人の長所を活かせる仕事・役割を作ってあげることが重要です。

また、個人の短所を組織としてカバーできるよう各個人の不得意なところはその部分を苦手としないマネジャー及び他の人でカバーするように仕事の役割・プロセスを考え、個人の短所を消すしくみをマネジメントにおいて考える必要があります。

事例:個人の長所を活かし短所をカバーし合う

例えば、「経理」という部署で、入社10年目のAさんと、入社5年目のBさんがいたとします。

Aさんはシニアな経理部員で給与計算や部署の経費など細かい仕事をきっちり几帳面にこなすことを長所としています。

ただ、短所としては次期マネジャー候補として会社全体の財務戦略や長期経営計画などマネジメントの視点での戦略的な仕事は不得意とするところです。

一方、BさんはAさんと性格が正反対で几帳面な細かい仕事は不得意としています。

ただ、長所はマネジメントの視点で会社全体の財務戦略や長期経営計画などを考えるのに長けているところです。

AさんとBさんの仕事・役割を考える場合に、「Aさんは入社10年目でシニアなんだから会社全体の財務戦略や長期経営計画などの仕事をしろ、Bさんは入社5年目なんだから給与計算や部署の経費の計算をきっちりこなせ。」と言って不得意な仕事を押し付ける必要はありません。

仕事の経験・給与レベルから考えて二人の釣り合いが取れないという見方もあるかもしれませんが、多少のことは目をつぶっても「人の長所を活かす。」ことが重要なのです。

仕事の釣り合いが取れないというなら、Aさんには自分の得意なところで他の若手社員の教育を任せるなど色々と手はあるはずです。

また、マネジャーとしてよく考えるべきことは、個人の短所をどのように組織としてカバーするか、カバーするしくみを作るか、という点です。

例えば、Bさんに会社として重要な財務戦略を任せる場合、Bさんはあまり几帳面ではないことから、細かいミスを何度も起こすかもしれません。

Bさんの長所を活かして短所をカバーするために、マネジャーとしてはBさんの計算結果を必ずマネジャーまたはAさんがチェックするという仕事のプロセスを決めておくなどしくみを考えておく必要があります。

荻生徂徠の言葉:人を用うるの道は、その長所をとりて、短所はかまわぬことなり。

歴史上の賢人である儒学者「荻生徂徠」は次のように言っています。

「人を用うるの道は、その長所をとりて、短所はかまわぬことなり。

長所に短所はつきてならぬもの故、短所は知るに及ばず。

ただよく長所を用うれば天下に棄物なし。」

一般的に世の中で管理職の方たちの中には、「うちの部署は人材がいない」「私ならできるのに何故うちの部下はできないのか」などと部下について嘆かれる方は居られないでしょうか?

世の中に理想的な人間なんて存在しません。

企業のマネジャーとして、企業の経営者として、非の打ちどころのない完璧な人間など今までに見たことがありません。

どんなに優秀な人でも短所・欠点は必ずありますし、逆にどんな人でも必ず長所を持っているはずです。

重要なことは、人それぞれの長所を如何に活かすか、活かせるような仕事・役割を与え組織としてのパフォーマンスを最大化するかということです。

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