昨今、ビジネスパーソンとして、論理的思考能力が求められる傾向が強くなっているように思います。
このことを否定するわけではありませんが、何よりも、まず、現場での実戦経験があるべきと考えます。
そして、もう一歩進めて、現場での十分な実戦経験とともに、論理的思考能力が備わっていることが、本来ビジネスパーソンに求められるべきです。
その理由について、これから説明します。
「ビジネスにおける理解」には3つのレベルがある
ビジネスにおける理解には、3つのレベルがあります。
-論理的理解
-体験的理解
-体系的理解
ここでは、わかりやすい例として、新しいパソコンを買ったとしましょう。
(1)論理的理解とは、パソコンのマニュアル、解説書を読破して論理的にパソコンを理解したレベルです。
(2)体験的理解とは、パソコンを実際に使いつくして、どう操作したらどう動作するかを理解したレベルです。
(3)体系的理解とは(1)(2)を習得してパソコンのしくみを理解し、故障があった場合、故障の原因を解析し自分で修理できる、また自分の望むように改造できる、要するに「応用がきく」レベルのことをいいます。
ビジネスではその知識は体系的理解に達していることが重要です。
1つとして同じことのない常に変化するビジネス環境において、最適解を求めることはこれに適した応用力が必要不可欠だからです。
体系的理解にまで知識を高めるのに重要なことは、実戦経験が必要不可欠であるということです。
ここで確認しておきたいことは、理論や科学的手法の「論理的理解」を軽視するものではないということです。
これがなければ体系的な知識のレベルには到達できまん。
しかし、重要なのは体験的理解、「実戦経験」がビジネスにおいては非常に重要で、これがなければビジネス・マネジャーとしての知識・能力の向上はありえないということです。
また、実戦経験がなければ、いくら優れたビジネス手法も本当の意味で理解できないのです。
実戦経験、修羅場の経験がマネージメント能力を向上させる
理論や科学的手法は書物・セミナーなどの手段により誰でも学習できます。
知識・能力に差をもたらすのは、いかに良い実戦経験を積んだか、言い換えると、いかに厳しい実戦経験を積んだかです。
極端に言えば、修羅場を経ていくことのみが、真にビジネス・マネージメント能力を向上させるものです。
もちろん経験を厳しい修羅場と感じるか、楽しいと感じるかは人によって違うでしょう。
人間の一生は時間が限られており、特別の人以外は十分な実戦経験を積める機会があるか疑問です。
これを補完するものにビジネス・スクールなどで行われている「ケース・スタディ」があり、これは受講者にビジネスの実戦模擬体験をさせるもので、わたしも経験しましたが優れた体験的理解の手法です。
論理的理解すべきもの
先にも述べたように論理的理解をすべきことも実戦に応用できるものでなければなりません。
ビジネスの理論や科学的手法は、一旦学んで忘れることが必要です。
これらは実際のビジネスの状況にそぐわないことがあり、これに固執すると正しくビジネスの最適解を見出すのに障害となるからです。
論理的理解をすべきことは、理論やテクニックをそのまま覚えることでなく、「フレーム・ワーク」を学ぶことです。
「フレーム・ワーク」とは多くの実際のケースにおいて共通するKey Success Factorであり、ビジネスの問題を解析する、また解決策を考える基本的な考え方、頭の中に持つべき枠組みです。
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