商品開発の成功法則-その4「ビジネスプロセス」市場導入~マネジメント編

ビジネス・フレームワーク

新商品開発のビジネスプロセス」においては「8つのステージ」があります。

そして前回は、5)商品ビジネスプラン、6)商品収益性分析、について紹介しました。

《新商品開発のビジネスプロセス》

1)市場機会分析
2)市場の細分化(セグメンテーション)とターゲット市場の選定
3)商品アイデア創出とスクリーニング
4)商品コンセプト・デザイン
5)商品ビジネスプラン 商品ビジネス戦略の開発
6)商品収益性分析
7)商品の市場導入
8)商品ライフサイクル・マネージメント

今回は、7)商品の市場導入、8)商品ライフサイクル・マネージメント、について紹介します。

マーケティング戦略に基づく市場導入計画の実施が重要!

商品および商品のビジネスプランが完成し、このプランをいかに実現するか、いかに販売を立ち上げるかが商品の市場導入の段階です。

商品を作成・準備、そして、タイムリーに市場へ投入し、計画していた売上高、利益額、マーケットシェア等ビジネスゴールを達成するよう、4P(Product, Price, Place, Promotion)において検討したマーケティング戦略に基づいて、具体的な実行方法・実行計画(戦術)の実施が必要となります。

顧客に商品の価値を伝える価値連鎖とは?

ここで重要なことは、商品の価値をいかにうまく顧客に伝えるかということです。

言い換えると、商品の作り手→売り手→買い手と、商品情報・および商品が様々な組織、人、情報経路を通して伝達される中で、商品の価値がうまく伝わるしくみを作って、いかに販売チャンネルを売る気にさせるか、また、顧客を買う気にさせるかがポイントとなります。

我々の対象としているのは「感情の動物」である人、およびその集団である市場であり、この市場は理屈どうりには動きません。

市場導入時、タイムリーに、この一つの感情の動物のごとく振る舞う市場のハートを、うまくつかんで販売の立ち上げを成功させる必要があります。

一度このハートをつかむことに失敗してしまうと、その後あらゆる努力を尽くしてもハートを射止めるのはかなり困難なこととなります。

市場には「市場の勢い」というものがあります。

うまく商品の価値が作り手→売り手→買い手と伝わり、「価値連鎖 (Value Chain)」ができあがると、市場に勢いがつき販売がうまく立ち上がるということになります。

( 「価値連鎖(Value Chain)」とは例えばメーカで言うと設計→製造→販売→サービスという企業の部署、プロセスで、顧客に与える価値が付加され企業全体で顧客に与える価値を最大化することを言います。)

この市場導入のプロセスは皆さんが好きな異性のハートをゲットするのとよく似ています。

これから思いを打ち明ける相手の好みや性格を事前に調べた上で、現状はあまり興味を持たれていないあなた自身について、どういう自己の特長(商品価値)を、どうアピール(マーケティング戦略・戦術 ) して相手のハートをゲットするかを考え実行に移さねばなりません。

例えば、あなたはテニスが得意でテニスでカッコイイところをアピールしたいとします。

テニスに誘いカッコイイところを見せる戦術として、例えば-直接誘う-友達を通して誘う-電話で誘う-手紙で誘うなど、色々な方法(プロモーションの手段)があり、相手の好み・性格に合わせて適切な方法を選択しなければなりません。

相手は感情の動物でわがままで、あなたのことなど今はあまり意識してませんから、もしアプローチ方法が適切でないと相手は気分を害して、すねて二度とあなたには振り向こうとしないかもしれません。

このように考えると、市場導入のプロセスが理解しやすくなりますね!

市場導入を成功させる一番重要なこととは?

この市場導入の実践的な重要成功要因の一つは、商品担当者、商品責任者がいかにその商品に惚れ込んでいるか、その商品に自信を持っているかです。

全く科学的、理論的な話ではありませんが、様々な実例、わたし自身の経験からも、これは市場導入を成功させるうえで非常に重要となります。

上記の商品の価値は基本的に色々な経路・媒体を通して人が人に伝えるものです。

人は表面的な物理特性に心動かされることは少なく、「熱意、情熱、驚き、感動」に心動かされるものです。

商品責任者の自信、情熱は、直接の対人的接触および様々なメディアを通しての情報伝達によって如実に人の心に伝わるものです。

「この商品は本当にすばらしいんだ!」と商品責任者が信じていれば、売り手も買い手も「それは売ってみよう、買ってみよう」ということになります。

逆に商品責任者があまり自信がない、あまり商品に熱意がないならば、売り手・買い手もそれを感じ取り「こんな商品売れないんでは?、これは買わないほうが良いのでは」ということになります。

商品の責任者が自信の持てない商品など売れるはずがないのは当然のことでしょう。

〔まとめ〕市場導入の成功要因

  • 市場のニーズ・特性に合わせて適切なプロモーション手段により商品の価値がうまく伝わるしくみを作る。
  • 作り手→売り手→買い手の価値連鎖 (Value Chain)が起こるようプロモーション戦術を考え実行する。
  • タイムリーに一つの感情の動物のごとく振る舞う市場のハートを掴む。
  • 市場のMomentum(勢い)を掴む。
  • 商品責任者が商品に惚れ込む、商品に自信を持つ。

 

商品ライフサイクル・マネジメントとは?


商品は、導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つのステージからなる商品ライフサイクルを経るのが通常です。

市場の発展段階ごとに定石といえるようなマネジメントの考え方があり、それを理解しておくことは有用であると思います。

ライフサイクル理論とその4つのステージに応じた考え方とは?

一般的な新商品の売上は、販売開始後、時間の推移に応じて導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つのステージを経ながらS字カーブを描きます。

それぞれのステージで、商品と利用方法についての顧客の理解度、競合の強さ、マーケティングに関わる組織の発達段階などの影響によって特徴が見られ、それによってマーケティング戦略の課題も異なってきます。

 

導入期の考え方

市場の発達の初期段階。

この段階におけるマーケティングでは市場の啓蒙が重視され、商品の使用方法や現在使用中の商品に対する優位性について、顧客へのコミュニケーションが試みられます。

この段階における基本的な目的は、第一次需要を創り出すことです。

成長期の考え方

新商品が浸透してくると、市場の状況は変化してきます。

顧客は、購入の仕方や商品の使用方法に関して知恵をつけてきますし、市場セグメントそれぞれのニーズに合わせた商品が求められるようにもなります。

この段階では、差別化を図ったり、自社の商品を競合商品とは違うものと認識できるように、顧客を教育する必要があります。

成熟期の考え方

ある時点で、市場規模をできるだけ大きくする作業は終わり、企業は自社の取り分をできるだけ大きくする取り組みを始めます。

この段階では、業界構造は固定化し、少数の企業が大部分の市場シェアを獲得することになります。

これら企業の目標は、市場シェアを維持しつつ、できればこれを拡大することになり、そのために、低価格政策によって販売量の拡大を図る戦略が採られることもあります。

また、流通チャネルや顧客を維持するため、サービスや価格を武器として競合の攻撃を防ごうとします。

一方、小規模な下位企業は生き残ることが第一目標となり、自らの強みを発揮できるような特定の市場セグメントをターゲットとして定め、そこに集中するようになります。

衰退期の考え方

この段階に至ると、売上は低下し、利益も激減します。

新規投資がほとんど必要ないことから、一部のリーダー企業はキャッシュを生み続けることができますが、それ以外の企業は、撤退するか、あるいは、イノベーションによって新たな価値創造に取り組むか、どちらかの戦略を採るようになります。

また、キャッシュを生み出している企業も、新たな事業に投資するようになります。

ライフサイクル・マネジメントにおける注意点

すべての商品が導入期、成長期、成熟期、衰退期という各ステージをたどっていくとは限りません。

実際に、導入後まもなく衰退期を迎える商品は多くあります。

その一方で、販売開始後、徐々に普及し、何十年にもわたって衰退の兆しを見せない商品もあり、いわゆる定番商品として長い成熟期を維持している商品が多く見られますことも事実です。

 

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