「企業は人なり、経営は心」、「人は塀、人は石垣、人は城」(武田信玄)と言われます。
人は企業にとって最も重要な経営資源であり、他はさておき、人のマネージメントがなんとかうまくできれば、企業経営は成功すると言っても過言でないと思います。
そして、「人のマネジメント」で最初に知っておきたいこととして、最も重要な3つのRについて紹介します。
人のマネジメントで最も重要な3つのRとは?
1番目のRは「Recruiting」
優秀な人材をリクルートすることです。
人材が企業の最も重要な経営資源であり、人材の優劣が企業の優劣を決めることを考えると、優秀な人材のRecruitingは重要です。
2番目のRは「Right Job」
リクルートした優秀な人材にやる気を持って仕事をしてもらうためには、やる気のでる仕事を与えることが大切です。
3番目のRは「Retain Good People」
優秀な人材をいかに企業につなぎとめておくことができるかが重要です。
そのためには個々の人達の中長期のキャリア、能力開発プランなど様々な人事施策が必要となります。
人の採用(Recruiting)で必要なこととは?
人の採用は、私が経験した仕事の中で最も難しく、エネルギーの必要な仕事です。
特に経験者を採用する中間採用は難しいというのが実感です。
採用は人の人生に大きく影響し、採用の失敗は雇われた人・雇った企業とも不幸にするものであり、慎重を極めねばなりません。
採用においては、その人が自分の実力をどのように実証できるかが一つの評価すべきポイントと言えます。
就職は一生で大事な選択であり、その人生の大事な選択においては、しっかりした自分なりの考えがあるべきです。
この点も評価するポイントと言えるのではないでしょうか。
何故この企業に応募したか、
何をこの企業でやりたいのか、
自分なりの目的・理由を持っていることが大切だと言えます。
人物・人柄も、組織内の人達との良好な人間関係を築き、仕事をスムーズに行えるかという意味で重要です。
人柄を見るには、フォーマルな面接などより、本来の人柄が出やすいインフォーマルな雰囲気での歓談を通じて判断することが有効です。
仕事(Right Job)でアウトプットを最大化する3つのポイントとは?
ポイント1:やりがいのある仕事を与える
部下にやる気を持って仕事をしてもらうためには、やりがいのある仕事を与えることです。
全くあたりまえのことのようですが、なかなか実際にはこれが行われていません。
企業・組織側の都合で提供できる仕事、やってもらいたい仕事と、個人が望む仕事にはギャップが発生することがあります。
また、給与レベル、役職に相応した仕事、責任範囲、責任の重さと個人の希望にもギャップが生じる可能性があります。
私の個人的な見解を言えば、多少組織の期待とずれていても、また、給与レベル、役職のレベルから逸脱していても、本人がやる気のでる仕事、やりがいのある仕事をやってもらった方が、総合的な考えて組織・企業にとっても有益であると言えます。
人それぞれ能力が異なるのですから、その人に合った仕事をデザインすることが大切です。
ポイント2:仕事に対するモチベーションを高める
そして、仕事に対するモチベーションをいかに高めるかということも重要です。
人の仕事での業績(アウトプット)は以下のように表わすことができます。
業績(アウトプット)=能力 X やる気(モーチベーション)
マネジャーの仕事は、部下個人の業績を高めるために能力の向上とやる気(モーチベーション)を高めるようサポートすることであり、特にモチベーションを高めることが重要になります。
わたしの経験からしても、多少、仕事における能力に問題があったとしても、仕事に対するモチベーションが高ければ(やる気があれば)、仕事は何とか進むものです。
そして、組織としてもメンバーのモチベーションが高ければ、個々のやる気がメンバー同士で良い波及効果を与え、組織全体のパフォーマンスは高く保てるものです。
逆に個人の仕事の能力がいくら高くても、モチベーションが低ければ(やる気が無ければ)仕事はうまく進みません。
また、モチベーションの低いメンバーが何人かいると、他のメンバーにも悪い影響を与え組織全体のパフォーマンスに影響します。
マネジャーという職務で、人のマネージメントにおいて最も楽しい瞬間は、組織として良い仕事の成果が出せた時と同様に、成果に関係なくメンバーがやる気にあふれ目が輝いている時と言えます。
ポイント3:仕事の成果を公正・公平に評価する
仕事をやったらやっただけの公正・公平な評価をすることが大切です。
逆にやらなかったらやらなかったなりに、厳正に評価することが個人のやる気(モチベーション)に繋がります。
個人の仕事の評価とは、本質的に悪いところを叱ってやる気をなくするものであってはいけません。
仕事の評価は公平・公正に行い、良いところ悪いところを、本人が納得して「さあ、もっとがんばろう」と、新たにやる気を起こさせるものでなくてはなりません。
評価は公正・公平で評価された本人が納得するということが重要で、納得せずに不満だけ残るような評価ならばやらないほうが良いのです。
個人の将来のキャリアパスを考え指導する
各個人は将来自分はどうなりたい、将来このような仕事をしたい等、何らかの将来像を持って現在の仕事に従事しているものです。
特に能力の高いモチベーションの高い人ほど、この傾向は強いと言えましょう。
現在従事している仕事が、将来の本人が希望する仕事・ポジションに繋がることが大きくモチベーションに影響します。
マネジャーは、個人の将来希望する仕事を把握し、その仕事につくために現在経験しておいたほうが良いこととして、個人の仕事を考慮することが必要です。
まとめ
人のマネジメントでもっとも重要な3つのRは、
1.人の採用(Recruiting)で必要なこと
2.仕事(Right Job)でアウトプットを最大化する3つのポイント
ポイント1:やりがいのある仕事を与える
ポイント2:仕事に対するモチベーションを高める
ポイント3:仕事の成果を公正・公平に評価する
3.将来のキャリア・パス(Retain Good People)
以上の解説をしました。
コメント