マーケティング戦略プロセス【解説】STEP3~6「重要課題検討~市場細分化」

ビジネス・フレームワーク

ビジネスで一番大事な「売れるしくみをつくる」のに必要な「マーケティング」をテーマに、MBAメソッドの紹介をしています。

前回は、「マーケティング戦略プロセス」が10のステップで構成されていることを明らかにし、そのステップ1経営戦略・経営目標と、ステップ2ビジネス環境分析(3C分析)について解説しました。

マーケティング戦略プロセスを構成する10の重要ステップ

今回は、そのステップ3からステップ6までを対象に、説明します。

マーケティング戦略プロセスを構成する10の重要ステップ:3~6

《マーケティング戦略プロセス》

  1. 経営戦略・経営目標
  2. ビジネス環境分析(3C分析)
  3. 経営・マーケティングの重要課題の検討
  4. ビジネスの主要な成功ファクターを見出す
  5. 市場のセグメンテーション(細分化)とターゲット・セグメントの選定
  6. どのような特性(パラメータ)で市場細分化するか
  7. プロダクトのポジショニングと競合の差別化
  8. マーケティング目標の設定とマーケティング戦略4つのP
  9. ホールプロダクトとソリューション
  10. 時間は差別化の武器

今回は、ステップ3からステップ6まで順番に説明していきます。

STEP3:「経営・マーケティングの重要課題の検討」で経営課題を明らかにする

ステップ2でビジネスの環境(3C:市場、競合、自社経営資源)を分析し、自社の強み・弱み・ビジネス機会・脅威(SWOT分析)を客観的に検討した結果をもとに、

これらから今、企業にとって経営目標を達成する際の最も重要な経営課題(Critical Business Issue [CBI])は何かを導き出します。

 

 

STEP4:「ビジネスの主要な成功ファクターを見出す」ことがマーケティング戦略策定の第一歩!

そして、現在および近い将来の経営課題を抽出し、重要な順にプライオリティづけをする必要があります。

何が最もCriticalな経営の課題なのか?

より競争力のある新しい製品を創造することなのか、競合より低い価格づけなのか、販売網の開拓・整備なのか。

この経営課題(CBI)に対する解決策が企業の成功ファクター(Key Success Factor[KSF])になるのです。

このKSFをクリアするためにマーケティング戦略が策定される必要があります。

 

 

重要なのはこのCBI, KSFが企業の抱える問題の本質を正しく捉えているかであります。

言い換えれば先にも述べたように顧客を良く知っているか?

報告書やデータの上だけでなくあなた自身が一年に何回直接顧客と対面して体験的に理解しているでしょうか?

競合企業の動きについても同様に体験を通して理解していますか?

また、自社の経営資源、自社の内部の問題をあなたは会社の各部署を歩き回り、直接「現場」の担当者の話を聞き現場の問題を正しく理解していますか?

企業の置かれている環境は常に変化しています。

自分のオフィスにいる時間、社内の重要でないミーティングの時間を最小化し顧客・社内の現場にいる時間を最大化する、そういう行動規範がビジネス・マネージャに求められるのです。

STEP5:「市場のセグメンテーション(細分化)とターゲット・セグメントの選定」で対象顧客を絞り込む!

企業の抱えるCBIとKSFが明確になったら、経営目標を達成しKSFを実現するために具体的なマーケティング戦略を策定するのですが、その前に市場のセグメンテーション(市場の細分化)をしてターゲットとするセグメント(顧客層)を明確にする必要があります。

市場のセグメンテーションとは共通するニーズ・特性を持つ顧客をひとかたまりの客層(セグメント)としてグルーピングする、市場をいくつかの共通するニーズ・特性の顧客グループ(セグメント)に細分化するということです。

 

■質問

ここで逆に皆さんに質問です。

何故、この市場のセグメンテーション(細分化)が必要なのだと思われますか?

ちょと考えてみてください。

 

[答え]
ごく一般的に言って顧客ニーズは時代とともに多様化しています。

昔はマス・マーケットとして市場を捉え、顧客のニーズは一様なものとして企業は商品開発やマーケティングを考えればビジネスが行えていました。

時代が進むにつれて個人は個性を尊重し他人と違う自分の趣味・趣向を重んじる傾向にあります。

また、企業は自社の特長、強みを生かして他社と差別化しビジネスの優位性を追求する傾向にあります。

今後ますます企業は多様化する市場・ニーズ・購買行動に対応して商品・サービスの開発、売り方・売れるしくみの多様化をすることが求められます。

一方、企業の経営資源には限りがあり多様なニーズ・顧客に全て対応していたのではビジネスの効率として悪くなるという問題があります。

そこで市場(顧客)をある程度共通するニーズ・特性の市場(顧客)セグメントに細分化し、事業の効率化を図るため自社の強みを生かせるターゲット・セグメントを選定する必要があるのです。

 

■One to One マーケティング

市場(顧客)はどんどん変化しています。

世の中の技術の進歩によりマーケティングの考え方もどんどん進化しています。

本質的には個別の顧客にその個別のニーズに合った商品を作り、個別の顧客の購買行動に合った売り方・商品の提供をするのが理想の姿です。

特に情報通信技術の進歩により企業の経営効率を落とさずにこれを実現しようとするマーケティングの方法が実践されつつあり、「One to One マーケティング」として当たり前の状況になってきています。

市場の変化とともにマーケティングも変化が求められ、市場セグメンテーションという考え方自体も古くなりつつありますが、基本的な考え方「フレーム・ワーク」を学ぶという意味で市場セグメンテーションの話を進めていきたいと思います。

STEP6:「どのような特性(パラメータ)で市場を細分化するか」がビジネス成功のカギ!

市場をどのように細分化して、どのセグメントをターゲット・セグメントに選定するか、はビジネスの成功に大きく影響する非常に重要な作業です。

市場をセグメンテーション(細分化)するときの重要な点は、どのような特性で市場を分類したら共通のニーズを持つ顧客層にうまく分類できるかということです。

フィリップ・コトラー教授はその著書「マーケティング・マネジメント」の中でセグメンテーションの’原則’として、

市場セグメントは、

測定可能であること (市場サイズ等)
到達可能であること (ターゲットの顧客に何らかの販売促進手段でア クセスできること)

としています。

よくあるセグメンテーションの失敗は、企業が企業の視点で勝手なセグメンテーションをして商品の付加価値、差別化、販売促進を行ったが、現実の市場の状況、市場ニーズ、客層とずれており商品が売れないということが多いのです。

どういう特性(軸)で市場を切るかはどのような特性であれば良くて、どのようなものであれば間違いということはありません。

ただ、市場セグメンテーションは「顧客の層別」ですので基本的には商品特性ではなく顧客特性でグルーピングすべきです。

■顧客特性の例 (自動車の例)

それではセグメンテーションの切り口とすべき顧客特性を具体的に自動車の例で考えてみましょう。

代表的な顧客特性は次のようになります。

-年齢、性別、収入、既・未婚、家族構成、職業、住居地域,etc.
-顧客のニーズ・用途特性
自家用、商用、通勤、買い物、オンロード・ドライブ、オフロード・ ドライブ、レジャー、人の移動、物の運搬、etc.
-顧客の購買行動特性
メーカー系のディーラーから買う、独立系のディーラーから買う、 実際試乗して選ぶ、雑誌で車を比較して選ぶ,etc.

■商品特性の例(セグメンテーションの切り口とすべきではない)

それではセグメンテーションの切り口とすべきではない商品特性を、具体的に自動車の例で考えてみましょう。代表的な商品特性は次のようになります。

-排気量、馬力、10モード燃費、乗車人員、車の形状タイプ、etc.

 

今回は、ここまでです。

お読みいただきありがとうございました。

 

次回は、「マーケティング戦略プロセス」の続きで、

STEP7 「プロダクトのポジショニングと競合の差別化」、と、STEP8 「マーケティング目標の設定とマーケティング戦略4つのP」について解説します。

 

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