管理人のよっしーです。
当ブログにお越しいただきありがとうございます。
このブログでは、わたしがこれまでのマーケティングや企画の仕事を通じて習得し、活用してきた「ポジショニング分析」を利用して、さまざまな「もの」や「こと」に対して、情報整理し「おすすめ」を提案する取り組みをしています。
現在、対象としている「もの」は、家電・パソコン関連など、「こと」は、「温泉」「レストラン」「スパイスカレー屋」「ゴルフ場」「美術館・博物館」「動物園・植物園」「スキー場」、そして、「企業(の業績)」などです。
そこで今回は、その「ポジショニング分析」はどういうものか、如何に便利なツールであるか、ということについて解説します。
ポジショニング分析とは?
私は以前、ノートパソコンを対象に、「一番多くの人たちが欲しがっていそうなモバイルノートPC」を絞り込んだことがありますが、
なぜ、この「一番多くの人たちが欲しがっていそうな」という絞り込みができたのか、疑問に思いませんか?
ここに、ポジショニング分析の本質があります。
ポジショニング分析は、「因子分析」や「コレスポンデンス分析」という多変量解析法に分類される統計分析手法の一手法を適用しています。
専門的なことはさておき、この分析した結果を二次元のマップ上に表すと、似ているモノは近くに、似ていないモノは遠くにポジションをとることになります。
そしてもう一つ傾向として上げられるのが、分析したモノたちの中で、平均的なモノはマップの中心付近に位置づけられる、ということです。
この「平均的なモノはマップの中心付近に位置づけられる」という特性を使って、「一番多くの人たちが欲しがっていそうな」という紐づけを行っています。
何故?「一番多くの人たちが欲しがっていそうな」という絞り込みができたのか??
さきほど取り上げた「一番多くの人たちが欲しがっていそうなモバイルノートPC」の分析を例に説明しましょう。
分析にあたっては、2018年1月から6月までに販売開始されたモバイルノートPC168機種の仕様データ(CPUスコア、メモリ容量、ストレージ容量、液晶サイズ、解像度、バッテリー駆動時間、重量など)を一覧表にまとめ、そのデータをもとに因子分析を行いました。
その分析によって得られた結果を、ポジショニングマップと呼ばれる二次元マップ上に表したのが、次の図です。
この上の図に168機種のポジションが示されています。
これら168機種の分析を行った結果、2つか3つの共通した特徴(因子)(ここでは、バッテリー駆動時間が長い、解像度が高いという2つの軸と、メモリ容量大きくパフォーマンス高いという1つの方向性)が得られました。
これら共通した特徴(因子)を軸や方向性としたマップに、分析して得られた168機種のポジションをとっていきます。
この分析で、似ているモノは近くに、似ていないモノは遠くに位置するということは先ほど述べました。
そして、分析したモノたちの中で、平均的なモノはマップの中心に位置づけられる、ということも説明しました。
この事例では168機種のモバイルノートPCの中で、中心付近に位置づけられているモノ達は平均的なスペックであるということを意味します。
メーカーが、商品開発を行う場合、一番売れ筋のモノとして、平均的なスペックをターゲットにしながら、少しでも特徴を出そうと、中心から少し離れたところにポジションをとるように商品企画をすることがあります。
このマップ上では、横方向に中心から横軸方向に数多くの機種が位置付けられています。
おそらく、パソコンメーカーがこの方向、つまりは、パッテリー駆動時間や、メモリ容量、パフォーマンスなどについて、平均的なレベルのモノとの違いを出そうとして意識しているのではないかと推測できます。
そしてこの中心付近に位置づけられているモノたちは、平均的なモノたちであって、そしてそれらはボリュームゾーンとして一番多くの人たちが欲しがっているモノたち、という論理が成り立つという訳です。
この時の分析では、168機種からマップの中心付近に位置づけられていた3つの商品に絞り込んで、改めて各商品の特徴を比較して、多くの点で似ていながらも、違っている点を明らかにしています。
もちろん、168機種の中で、より特徴のある尖がった商品を選びたい!というニーズもあるはずです。
その場合には、このマップ上で、縦軸の一番上に位置している商品や、横軸の一番右に位置している商品の内容を確認することになります。
ポジショニング分析の本質は?
あるモノやコトを絞り込もうとする場合に、このポジショニング分析を行うことで、分析対象の特徴(因子)が2つか3つ明らかとなります。
そして、それを軸や方向性として用いながら、その二次元マップ上に表された各々のポジションから、似たモノたちはどれか?似ていないモノたちはどれか?平均的なモノたちはどれか?を明らかにすることができます。
そして、直感的に、視覚的に、軸や方向性と自分のニーズとが合致したエリアに位置づけられているモノやコトを選ぶことができるため、客観的で効率的な絞り込みを行うことに繋がります。
私は以前、メーカーのマーケティング部門に所属していたときに、商品企画で競合製品との差別化ポイントを明確にする取り組みの一環として、企画中の自社新商品と複数の競合製品の仕様データを比較表にまとめ、そのデータを元に因子分析を行っていました。
そして、分析によって得られた因子得点を元にポジショニングマップを作成して、マップ上に示された競合製品との位置関係を見ます。
この時、自社製品の差別化ポイントが明確にお客様へ伝わるように、仕様データを変更し、明らかに優位性のあるポジションと確認できた際の仕様データを開発部門へフィードバックします。
そして、試作品を作ってもらい、それを重要なお客様に試用いただき、その評価結果を元に量産品へと展開するといった取り組みをしていました。
競合製品との位置関係が極めて近くにある場合、お客様は、この2つの製品を「似ている」と判断してしまい、比較検討の最大のポイントは、価格ということになりえます。
価格競争に陥ることを避けるため、我々マーケッターは、競合製品との違いを出そうと、つまりは、ポジショニング分析におけるポジションを離して距離を持たせるために、どの仕様を変えるか(良くするか)を、お客様のニーズとともに掛かるコストと照らし合わせて検討します。
その結果、競合製品との差別化ポイントが明確になり、これがお客様に十分認知いただけると、購入いただける可能性が高くなる、という訳です。
そして今回、このメソッドを、投資や、モノ、コトなどに対象を広げ、使ってみることにしました。
改めて、ポジショニング分析の本質は、
似ているもの同士は近くに位置し、似ていないもの同士は遠くに位置する。そして、平均的なモノやコトはマップの中心に位置する、ということを明らかにできる、というものです。
ポジショニング分析を使えるようになれば自分の価値向上につながる!
ポジショニング分析は、マーケティングツールとして商品企画で良く利用されます。
先述のように、新しい商品を企画していて、その商品が既に市場に出回っている競合製品との違いを出すために、商品スペックを一覧表にまとめ、そのデータをもとに因子分析をすれば、ポジショニングマップを作成できます。
また、マーケティング以外にも、人事評価や、スキルマップ評価などで人事管理に利用されることもあります。
ほかにも、企業分析、品質管理など、基本的に「クロス集計」された一覧表があれば、因子分析やコレスポンデンス分析などを使用して、ポジショニングマップを作成し、視覚的にその特徴を理解することができます。
特に、社内では役員向けの説明資料を作る際に、また、社外ではお客様や投資家向けなどにプレゼンする際に、ポジショニングマップを作成しておけば、多少説明に不足があったとしても、視覚的に捉えることができますので理解されやすいというメリットがあります。
あなたがもし、より良いレポーティングやプレゼン資料作成をしたいと思っているのであれば、少し勉強時間を確保して、その知識やスキルを得ておくことをおすすめします。
私自身、元々はエンジニアとして製品設計に携わっていましたので、マーケティングや企画などとは無縁の生活を送っていました。
ですが、社内のジョブローテーションによってマーケティング部門に配属されると、商品企画に関わる様々な知識を得る必要が出てくると共に、レポーティングやプレゼン資料を作成する機会も増えてきました。
また、顧客ニーズ調査の際には、必然的に統計分析のスキルが必要となったため、通信教育を受けたこともあります。
これら一連の活動を通じて、ポジショニング分析のスキルを身に付けることができたというわけです。
また、ポジショニング分析をより有効なものにするためには、統計分析スキルのみならず、マーケティングや経営戦略、基本的な会計の知識なども必要になります。
そして、これらの知識・スキル習得に積極的に取り組むことで、自分の市場価値をあげることができたようにも思っています。
その積極的な取り組みの一つには、関連する通信教育を受けたり、ビジネススクール(Globis)に通ったことがあります。
あなたも、よりスキルアップに取り組みたいとお考えなら、まずは関連する講座の資料請求をしてみることをおすすめします。
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