マーケティング分析手法を応用した株スクリーニングに使用する8つの指標は?

分析

今回改めて、このブログで紹介していくマーケティング分析手法を応用した株スクリーニングに使用する8つの指標について確認します。

 

以前、「自動車大手10社の財務データを元にポジショニング分析した結果見えてきたものは?」で紹介しているのですが、一部指標を変更し改めて紹介します。

 

また、このブログにおける株スクリーニングの考え方・やり方については、「マーケティング分析手法応用によるスクリーニングで最適な投資銘柄の絞り込みをサポート!」を参考にしてください。

分析に採用する指標は?

企業の総合力を俯瞰しながら、収益性、効率性、安全性、成長性といった、企業分析に必要なすべての財務上のカテゴリーを網羅しています。

 

■総合力指標

ROA(総資産利益率)

ROE(自己資本利益率)

■収益性指標

売上高経常利益率

キャッシュフローマージン

フリーキャッシュフロー

■効率性指標

総資産回転率

■安全性指標

自己資本比率

■成長性指標

売上高成長率

以上、8つの指標を採用しました。

この8つの指標を採用した理由は?

■総合力指標

会社に投入した資金がどの程度利益に結びついているのかを測定するための指標で、この指標が高い場合には総合的な収益力の高い会社ということが言えます。

具体的指標として、ROA(総資産利益率)、ROE(自己資本利益率)があります。

この分析では、両方の指標を採用しています。

■収益性指標

収益性指標とは、会社の利益を生み出すことのできる力をその構造的な面から測定する指標で、これまでは、売上高総利益率、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期利益率の指標がありましたが、IFRS(国際会計基準)との関係からこの枠組みが変容してきています。

また、キャッシュフローの観点で収益性を見る指標として、キャッシュフローマージン、フリーキャッシュフローがあります。

この分析では、売上高利益率については、

・国際会計基準の場合は、税引前利益率

・日本基準の場合には、経常利益率

以上を採用し、ブログ内での表現は経常利益率とします。

加えて、キャッシュフローマージン、フリーキャッシュフローを採用しています。

その理由は、まず売上高利益率については、IFRS(国際会計基準)との関係から、日本基準との整合性を考えました。

また、売上高営業利益率は会計上の利益でキャッシュではないため、売上がどの程度、キャッシュの獲得につながっているかを見るために、キャッシュフローマージンを採用しました。

フリーキャッシュフローは、経営者の判断で自由に使い道を決めることができる資金のことで、フリーキャッシュフローが潤沢な企業は、経営上の意思決定における自由度がより高い企業といえることから採用しました。

■効率性指標

効率性指標とは、同じ売上高を上げるために投入されている資金をどれだけ減らすことができているのかを分析することで、資金的な効率性を測定する指標で、具体的には総資産回転率、売上債権回転率、在庫回転率、仕入債務回転率等の比率があります。
この分析では、総資産回転率を採用しています。
その理由は、総資産回転率は企業の資産をどの程度効率的に使って売上げを達成したかの比率を示しており、この数値が高いほど資産が効率的に売上げに結びついたことを意味しているためです。

■安全性指標

安全性指標とは、負債あるいは資本の構成が安定しているかどうかを分析することによって、資金的な安定性、余裕度を測定する指標です。
具体的には、自己資本比率、流動比率、当座比率、固定比率、固定長期適合率、手元流動性、インタレスト・カバレッジ・レシオ等の指標が挙げられます。
この分析では、自己資本比率を採用しています。
その理由は、自己資本は株主持分の総額、つまり株主の出資分と会社の過去からの利益の累積の合計を意味していますが、総資産に占める資本の割合が高いほど返済する必要のない資金が多いことを意味し、業績が悪化しても債務超過を避けるだけの抵抗力があるといえるからです。
ただし、自己資本比率が高すぎる場合には、安定性はあるものの、消極的で機動力のない経営を行っているということも言えます。逆に低すぎる場合には、経営が安定性に欠けるということが言えます。つまりは、適度なバランスが大事ということです。

■成長性指標

成長性指標とは、会社の売上高、総資産等の規模がどの程度変化しているのかを分析することで会社の一定期間の規模の成長度合いを測定する指標です。
具体的には、売上高成長率、総資産成長率がよく用いられます。
この分析では、売上高成長率を採用しています。
その理由は、売上高成長率が、会社の成長性という点からはもっとも基礎となる比率で、これが高いほど会社の規模が大きくなっていると言えるからです。

 

以上、今後も分析対象銘柄を増やしていきますが、分析する指標は基本的にこれら8つの指標です。

企業の総合力を俯瞰しながら、収益性、効率性、安全性、成長性といった、企業分析に必要なすべてのカテゴリーを網羅しています。

なお、何らかのオプション的な分析をする場合には、他の指標を採用することがありえます。

過去のブログでは、次の記事が収益性については、売上高営業利益率が採用されています。

今後、次年度の決算情報が出てきた際には、国際基準では税引前利益、日本基準では経常利益を採用し、収益性の表記では売上高経常利益率として統一した上で、内容を追加後、更新します。

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以上、よろしくお願いいたします。

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