5月に新しいノートパソコンを購入し快適に使用していたのですが、プリインストールされていたセキュリティソフトの「90日間のお試し使用期限が近づいています」コメントが頻繁に出てくるようになりました。
プリインストールされていたのは「ウイルスバスター クラウド」で、改めて3年版を購入すると15%割引で、さらに利用期間が3か月間無料延長できて、ダブルでおトクとのことです。
「それだけおトクなんだったら購入しても良いか」と、何気なく購入手続きをしそうになったのですが、ふと、「他にもセキュリティソフトはあったよね?」と思い直し、調べてみることにしました。
そして、最終的に購入することにしたのは、「ZEROスーパーセキュリティ」という製品です。
今回は、私がノートパソコンのセキュリティソフトとして「ZEROスーパーセキュリティ」を選んだ方法と「ウイルスバスター クラウド」から乗り換えた理由について紹介します。
セキュリティソフトの主要8製品を比較した方法とは?
現在販売されているセキュリティソフトの製品を調べるために、早速ググってみると、「the比較」というWebサイトに、「セキュリティソフトの比較」情報が掲載されていることがわかりました。
このサイトでは、現在販売されている主な8製品のセキュリティ性能・機能(7項目)に対する分かり易い説明と、第3者機関による客観的な情報に基づく比較がありましたので、この情報を参考にして、購入するセキュリティソフトをどれにするか検討することにしました。
セキュリティソフトの主要8製品をポジショニング分析してみた
このセキュリティ性能・機能比較表を見ていて、大体どの製品が自分に合っていそうか理解することはできたのですが、ここで、私の職業意識が目覚めたのです。
「製品」の「性能・機能」の「比較表」・・・
これは、まさに私が日々取り組んでいるマーケティング分析手法が適用できるではないか?
そして、ポジショニングマップを作って、ポジショニング分析をすれば、一目瞭然!
自分が欲しいと思っていた製品が本当に自分のニーズにあっているのかどうか、が判断できると思いました。
そこで、早速比較表のデータをまとめ、Rというフリーの統計分析ツールを使って、セキュリティソフトのポジショニングマップを作ってみることにしました。
「the比較」に掲載されている比較表は、評価ポイントを数値ではなく、◎+、◎、〇、△、×で示されていましたので、Rツールで処理できるように、これらを数値に置き換えます。
◎+ → 4
◎ → 3
〇 → 2
△ → 1
× → 0
この作業によって次の比較表を作成しました。
セキュリティソフト名 | マルウェア性能 | 動作の軽さ | ランサムウェア対策 | ネットバンク保護 | 迷惑メール対策 | 保護者向け機能 | ID/パスワード管理 |
ESET セキュリティソフト | 3 | 3 | 2 | 3 | 2 | 3 | 2 |
カスペルスキー セキュリティ | 4 | 2 | 3 | 3 | 2 | 3 | 2 |
ノートン セキュリティ | 3 | 2 | 2 | 2 | 2 | 4 | 2 |
ウイルスバスタークラウド | 3 | 2 | 2 | 2 | 2 | 3 | 2 |
マカフィー リブセーフ | 3 | 2 | 1 | 1 | 2 | 3 | 2 |
アバスト インターネットセキュリティ | 3 | 2 | 2 | 2 | 2 | 0 | 2 |
ZERO スーパーセキュリティ | 4 | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 | 2 |
ZERO ウイルスセキュリティ | 2 | 3 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 |
そして、この比較表のデータを基に、ポジショニングマップを作成して、セキュリティソフトの特徴や違いをビジュアルに示すことができれば、直感的に、どの製品が自分のニーズに合っているかを把握することができます。
セキュリティソフトのポジショニングマップを作成した方法とは?
今回実施した分析手法はコレスポンデンス分析です。
この分析は、クロス集計の列項目と行項目の関係性を視覚的に表現する方法です。
ポジショニングマップ上に示された列項目の各要素と行項目の各要素の位置関係から、近ければその関係性が高く、遠く離れていればその関係性は低いと判断できます。
そして、セキュリティソフト比較表の性能・機能評価ポイントを基に、Rツールを使ってコレスポンデンス分析を実施し、その結果をポジショニングマップ上に表してみました。
●で示されているのは、主なセキュリティソフト8製品です。
そして、◆は主な性能・機能を示します。
このポジショニングマップの見方は、さきほど説明しましたように、近くにあるモノ同士は関連性が高く、遠くにあるモノ同士は関連性が低いと判断します。
セキュリティソフトのポジショニングマップから分かることは?
このセキュリティソフトのポジショニングマップから分かることは、
セキュリティソフトは、大きく3つのグループに分類できるということです。
第1グループは、黄色で囲われているグループ
具体的な製品は、ESET セキュリティソフト、カスペルスキー セキュリティ、ノートン セキュリティ、ウイルスバスター クラウド、マカフィー リブセーフ
第2グループは、緑色で囲われているグループ
具体的な製品は、アバスト インターネットセキュリティ、ZERO スーパーセキュリティ
第3は、右上に離れて位置する一つの製品(ZERO ウイルスセキュリティ)
です。
第1グループは、◆で示された主な7つの性能・機能すべてと近い距離に位置していることから、全ての性能・機能においてバランスよく評価が高い製品であると言えそうです。
第2グループは、主な性能・機能においては評価が高そうなのですが、「動作の軽さ」や「保護者向け機能」において、第1グループに比べると評価が低いようです。
第3の右上に位置する製品は、「動作の軽さ」に対する評価は高そうですが、その他の主要な性能・機能については、評価が低く表れているようです。
そして、私は、このポジショニングマップを見て、第2グループの「ZEROスーパーセキュリティ」に興味を持ちました。
その理由は、主な性能・機能において第1グループと遜色ない高い評価を得ていながら、その位置取りが第1グループとは違っていて、ユニークな製品と思ったからです。
セキュリティソフトを乗り換えた一番の理由とは?
セキュリティソフトの性能・機能面での評価から第2グループの「ZEROスーパーセキュリティ」に興味を持った具体的な理由は、主な性能・機能では第1グループの製品と遜色ない一方で、「動作の軽さ」や「保護者向け機能」の評価が低いこと、つまりは、性能・機能を絞り込んだことで、おそらく価格的に抑えた製品なのではないかと考えたからです。
そこで、各製品の価格を調べてみました。
(円) | ESET セキュリティソフト | カスペルスキー セキュリティ | ノートン セキュリティ | ウイルスバスター クラウド | マカフィー リブセーフ | アバスト インターネットセキュリティ | ZERO スーパーセキュリティ | ZERO ウイルスセキュリティ |
価格(1年版) | 7,344 | 4,980 | 5,918 | 5,380 | 4,490 | 6,480 | 4,980 | 4,622 |
価格(3年版) | 7,480 | 9,110 | 16,480 | 12,780 | 8,240 | 18,080 | 4,980 | 4,622 |
価格(6年使用) | 14,960 | 18,220 | 32,960 | 25,560 | 16,480 | 36,160 | 4,980 | 4,622 |
私が現在使用している体験版の「ウイルスバスタークラウド」は、3年版で12,780円です。これから15%引きで、使用期間が3か月間延長、とのおすすめメッセージが来ています。
一方、「ZEROスーパーセキュリティ」は、価格が4,980円で、一度購入すれば、3年使おうが、6年使おうが追加費用はかかりません(更新料0円)。
「ウイルスバスタークラウド」をはじめとする第1グループのセキュリティソフトは、例えば3年版を購入すると、3年後に、改めて購入しなおす必要があります。
これは、製品を購入というよりは、ある期間だけ製品の使用権を購入したといったほうが適切かもしれません。
但し、インストールしているパソコンを他の機種に買い替えたとしても、使用期間が残っていればその使用権がなくなることはありません。
一方で、「ZEROスーパーセキュリティ」は、インストールしているパソコンを買い替えると、また新たに製品を購入する必要があります。
したがって、2~3年単位でパソコンを頻繁に買い替えるような場合は、第1グループの「ESETセキュリティソフト」「カスペルスキーセキュリティ」「マカフィー リブセーフ」などの購入を検討した方が価格的にメリットはありそうです。
私の場合は、少なくとも6~7年程度は使用するつもりでノートパソコンのスペックを決めていますので、「ZEROスーパーセキュリティ」でも問題はないと判断しました。
また、「ZEROスーパーセキュリティ」で評価の低かった「動作の軽さ」や「保護者向け機能」については、私にとって問題となる項目ではありませんでしたので、最終的に、この「ZEROスーパーセキュリティ」を購入することにしました。
まとめ
今回は、ノートパソコンに使用するセキュリティソフトの性能・機能面でのポジショニングマップ上での比較と、価格面での比較を行いました。
その結果、私が購入を決定したのは「ZEROスーパーセキュリティ」です。
購入の一番の決め手となった理由は、もちろん価格ではあるのですが、他に以下の4点が挙げられます。
- 基本的な性能・機能面では、他の主要なセキュリティソフトと遜色ないパフォーマンスであると判断したこと。
- 評価の低い「保護者向け機能」は、そもそも必要としていないこと。
- 「動作の軽さ」で若干難点がありそうという点も、そこそこのパフォーマンスを持つノートパソコンを使用していることから、それほど気にならないだろうと判断したこと。
- ノートパソコンの使用期間を6~7年程度と想定しており、トータル期間でのコストメリットがあること。
以上、5月に購入したノートパソコンにプリインストールされていた体験版セキュリティソフトの使用期限が迫ってきたことで、改めて、今後使用するセキュリティソフトについて検討し、結論として「ZEROスーパーセキュリティ」を購入することになるまでのプロセスについて説明してきました。
なお、パソコンのセキュリティソフト購入を検討されている方の中には、「保護者向け機能」や「動作の軽さ」、そして、「馴染みがある」、などの理由で、第1グループの製品を検討されるケースもあると思います。
是非、先に示したセキュリティソフトのポジショニングマップを参考に、自分のニーズに合った製品選びをしてみてください。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
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