かれこれ20年以上も前のことになるが、イタリア トスカーナ地方を旅している途中で、シエナだったかどこかの街中の酒屋(エノテカ)を覗いていたら、
地元の人だとおもうが、『赤ワインを探しているんだったら、これが良いよ』と、一本の瓶を手に取った。
それが、「ファットリアデイバルビ ブルネッロディモンタルチーノ95年」との出会いだった。
その現地の人が言うには、当時のワインの当たり年は95年。
しかも、『この銘柄は特に評判が高い。是非オススメだよ』、と。
聞いたことのない銘柄だったけど、パッケージデザインが美しかったし、地元の人が言うんだったら間違いないだろう、と、95年モノ2本と95年モノのリゼルバ1本、そして、97年モノを1本買った。
確か、1本 2500円~4500円程度だったと記憶している。
当時はまだ通貨がリラで物価は安く感じていたけど、通貨がユーロに変わってから、イタリアの物価は高くなったと思う。
そして、日本に戻ってきてから、折角だからBYOレストランに、この95年モノを持ち込んで味わおうということになり、早速、横浜ロイヤルパークホテルにあるカフェフローラを予約した。
当時は、カジュアルにイタリアンのコース料理を味わえるBYOとして、時々利用していた。
(※ BYO=Bring Your Ownの略で、飲食店に自分のワインを持ち込んで楽しむことをさす)
あの頃はみなとみらいに東急ストアがあって、ワインの品揃えが結構豊富だったので、ここで赤ワインを調達して、カフェフローラに持ち込むと言うのが当時のマイブームだった。
でも、今回は、自宅からワイン専用のバッグに、「ファットリア・デイ・バルビ ブルネッロディモンタルチーノ95年」を一本入れて大事に抱えるようにしてレストランへ持ち込んだ。
席に案内されて、『このワインでお願いします』と。
係の方も慣れていて、『承知しました』と、ことはスムーズに運んだ。
そしてテイスティング。
ドキドキ感が高まる。どんなワインなんだろう。
係の方が、コルクを開ける、と、その瞬間。
大きな花束のパッケージを解いて、花瓶に移す瞬間のような、フレッシュな数種類の花たちが織りなす膨よかなかおりが、一瞬のうちにフロアに充満したのだった。
係の方の動きが瞬間止まる。
そして、気を取り直したように、テイスティング用にグラスへ。
わたしは、香りを味わっただけで、このワインに惚れ込んでしまっていた。
味わいは、まさに花たちが織りなす重層な香りの饗宴。
その係の方も、『95年はワインの当たり年なんですよ、イタリアでは』と、
やっぱり、あの名前も知らないイタリア人の言っていたことは本当だったんだと納得した。
そして、一期一会という言葉が思い浮かんだのだった。
この赤ワインは、カフェフローラのカジュアルなイタリアンにマッチしていた。そして、ここのイタリアンは、この赤ワインの香りそして味わいを十分に引き出してくれた。
その後、国内でもこのワインが買えないかと思案していたが、ある時、日吉の東急ストアで見つけ、小躍りしながら買って帰ったのを覚えている。その時は、6000円くらいしたと思うが。
このファットリアデイバルビ ブルネッロディモンタルチーノは、パッケージデザインも気に入っていて、空き瓶をサイドボードにおいて眺めていた。
今も、我がファットリアデイバルビ ブルネッロディモンタルチーノたちは、空き瓶の状態で鎮座ましましているが、後姿も、また美しいのだ。
この先、イタリアトスカーナ地方に行くことがあったら、またあのエノテカに行ってみたい。
親切に教えてくれたあのイタリア人はいるだろうか。
この極上赤ワインを楽しみながら、花の都フィレンツェの香りに包まれてゆったりと過ごすのも素敵ですね!
サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局(イタリア・フィレンツェ)の香りでココロとカラダをリフレッシュ!ストレス解消!!
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