2020年8月15日の夜、夕食をとっているとき、家族に言われたひとこと。
「なんか、右目が開いたまんまだよ!? どうしたの???」
それが、顔面神経麻痺との戦いが始まったときだった。
顔面神経麻痺を発症してから何を考え、どう行動したのか?
翌日(8月16日)になると、口の右側も動きづらくなってきていた。
でもその時は、何がどうなっているのか混乱していることもあって、やり過ごした。
◆8月17日(月)・・・発症から2日目
そして、8月17日になって、右目を閉じることもできず、右頬も動かず、口の右側も「イー」ができない状態。
(※眉毛を上げても、右目は全く動かない状態)
(※口をイーっと横に開いても、右側は全く動かない状態)
そしてネットで色々調べてみると、心配なことが・・・
中枢神経がやられていると、顔面神経麻痺が現れることがある!
それは・・・「脳梗塞」
ちょっとこれはやばいかもしれないと感じ、とりあえず脳に異常があるかどうかを調べるために、神経内科を受診して、MRI検査を受けることにした。
◆8月18日(火):神経内科でMRI検査を受ける・・・発症から3日目
そして幸運にも、自宅のすぐ近くにMRI装置を持つ神経内科クリニックがあったので、8月18日朝に予約の電話を入れた。
すると、直ぐにも見てくれるという事だったので、即行!
顔面神経麻痺の原因は?神経内科を受診した結果は?
神経内科で診察を受けた。
眼を動かしたり、
手を動かしたり、
耳が聞こえるかチェックしたり、
目を動かしたり、
瞳孔に光を当てたり、
そして、それらの状況確認から、おそらく脳梗塞の心配はないということで、その確証を得るためにMRI検査を受けることになった。
MRIは、磁気を使って体を輪切りにして調べていくもので、放射線を使うCTに比べれば安全という認識がある(僕個人の意見)。
一方で、身体に金属を付けていることはできないので、貴金属や時計、めがね、入れ歯などはすべて外した状態で検査を受ける。
また、刺青をしている人は、その部分が火傷になる恐れがあるという事で、MRI検査は受けられないようだ。
これらの内容を確認した上で、同意書にサインをした。
MRIの検査時間は約20分。
通常は15分程度のようだが、僕の場合は、首に傷みがあることを訴えていたので、脳の検査と併せて、首の検査も行ったため時間が伸びたようだった。
検査中に身体を動かさないようにすること、
何か異常を感じた時には予め右手に握らされた風船式のスイッチを握ること、
といった注意点の説明があった後で、
検査中の音が大きいのでヘッドホーンをするが、耳栓は必要かと聞かれたが、必要ないと答える。
検査中は、ギュイーンとか、ガガガガッ、ドンドンドンドン、コンコン、ショワーッ、といった大きな音が聞こえてきて、さながら大気圏を突入する宇宙船に乗っているような賑やかさで、ときどき身体が浮くような感覚になるのも、大きな磁気を身体にかけているからだろうと思った。
また、磁気を身体にあてられて、身体に痛みを感じるとか、気持ちが悪くなるとか、圧迫感を感じるとか、といったことはなく、ただ、浮遊感を感じながら、まな板に乗ったマグロのように寝ているだけ。
そして検査は終了。
さて診断結果は?
全く問題なし!
診察室に戻り、脳を輪切りにした状態の画像が次々と目の前に現れ、説明が加えられていく。
大脳、小脳ともに綺麗で、脳梗塞の兆候も全く見られない。
血管もきれいで、くも膜下出血を引き起こすような膨れなどの兆候も見られない。
神経もしっかりしていて、視神経、顔面神経などもはっきりと確認することができる。
ただし、、、
首の方に少々問題がある。
体格的にストレートネックになっているので、長時間スマホやパソコンを同じ姿勢で見ていると、痛みが出やすい。
ということで、医師の診断結果は、
「原因不明の顔面神経麻痺」
出たよ、いつもの「原因不明」
これって使い勝手が良いワードなんだろうけど、結局原因がわからないという事だから、何の解決にもならないんだよね。
これまでも、病院にかかって、何度となく聞いた言葉「原因不明」。
つまりは、「ストレス」に起因するもの、ということ。
とりあえず、
顔面神経麻痺発症後の炎症を抑えるための「ステロイド剤」と、
血流を改善するための「ビタミンB12剤」
以上を処方してもらった。
いずれにせよ、脳梗塞などの中枢神経がやられたわけではないことが分かっただけでも収穫だった。
そして帰り際に、
一応、ヘルペス性の顔面神経麻痺もありうるし、その後のリハビリのこともあるので、耳鼻科の受診を勧めます、ということで、近所の別の病院への紹介状を渡された。
「ヘルペス性」?
あるわけないじゃん、別にそんなできものできていないし、そのような痛みを感じる部分もないし!
「リハビリ」?
どうせ一通りリハビリ方法を指導した後は、経過観察するだけでしょ!
ということで、紹介状は丁重にいただいておいたが、これ以上、耳鼻科などの病院に行くつもりは毛頭ない!
原因不明の顔面神経麻痺を克服するために何をどうした?
僕はもともと東洋医学に興味を持っていて、昔から体調が思わしくない時は、風門のツボにホッカイロを貼って温めたり、胃腸の調子が悪い時はお腹にあるツボ、花粉症がひどい時は腰にあるツボにホッカイロを貼ってしのいできた。(→この方法はおすすめです!)
また、だいぶ前に自律神経失調症にかかってしまった時には、自律訓練法を地道にやって克服した。
ぎっくり腰や、股関節を痛めた時は、整体治療を受け、克服してきた。
だから今回も、ツボを調べて、そのツボを押したりすることで対処できないか調べてみた。
すると、
鍼灸院では、顔面神経麻痺をハリやお灸で直す事例があることを知り、さらに調べると、
局所療法として、8つのツボがあることが分かった。
(引用先:東洋医学研究所HP)
早速、「原因不明の顔面神経麻痺」と診断された8月18日の夜に、この8つのツボ押しをしてみたところ、その時は、首の傷みが緩和された。
その後、ぬるめのお湯に入浴しながら、改めて8か所のツボ押しをする。
そして、就寝しようと横になったときに、あごや頬、目の下あたりがピリピリと動くようになった。
これは効果があるのではと期待しつつ就寝。
◆8月19日(水):ツボへの刺激で対処することに決める・・・発症から4日後
そして翌日(8月19日)、起床後、特に大きな変化は見られなかった。
また、首の右側に痛みが出るようになっていた。
朝食後に、病院で処方されたステロイド剤とビタミン剤を飲み、早速、8つのツボ押しをしてみた。
すると、一通りツボ押しを終わった直後から、あごや、頬、目の下あたりのピリピリと動く感じが、昨夜よりも顕著に表れるようになった。
これはやっぱり、ツボ押しの効果で、血流が戻り始めている兆候かもしれないと思った。
一方で、首の右側には、常にという事ではないが、時々鈍痛を感じることがある。
また、患部を温めると良いようなので、ホッカイロをハンカチで包んで、首元や口の右側、右頬、右瞼などを温めてみる。
そして、気が付いた時に、これらの筋肉をマッサージしたり、ツボを押したりと取り組んだ結果、何となくではあるが、右の下唇が少し右側に動きつつあるように感じることもあった。
一方で、右目は閉じても半目の状態で、閉じないことが殆どで、ドライアイが心配。
なので寝るときは、テーピングで瞼が開かないようにしている。
さらに、ネットでググっていたら、顔面神経麻痺は急性期からの治療が大事ということがわかり、病院では炎症を抑えるためのステロイド剤と末梢血管の血流を回復させるためにビタミン剤を処方するのがセオリーで、その後、病院通いをしていても、ほぼ経過観察で、長期間通い続けて、ゆるやかに治癒するのを待つしかないようで、麻痺が改善されなければ注射をしたり、最悪の場合は外科手術が必要ということだった。
自分の経験上も、股関節に傷みが出て整形外科クリニックを受診したときは、整体のリハビリを受けていたが、約6か月通い続けても完全には良くならず、結局、整体治療院で直してもらったということもあった。
こういった背景もあり、自分は既に病院にはかからないことを決めていたし、そうはいってもできるだけ早く治癒したいという願いも持っていた。
そこで、自宅の近くにツボを刺激して治療する鍼灸院がないか調べてみたところ、自宅からそう遠くないところに、神経麻痺専門の鍼灸院があることを知った。
そのHPには、15回程度治療を受ければ、顔面神経麻痺を克服できることが載っていた。
これしかないかも、・・・そして、・・・国からの給付金使って行こう、と即断!
そして、まずはお試しの施術を受けてみることにし、早速ネット上から翌日(20日)の予約を入れた。
◆8月20日(木):神経麻痺専門の鍼灸院に行く・・・発症から5日目
この鍼灸院のHPには、ハリ治療1回目から麻痺した部分が動き始める人もいる、とのことだったので、期待感アリアリ。
施術に入る前に、これまでの経緯や症状について確認があった。
その時点では、顔の動くところと、動かないところがはっきりとわかってきたような感じ。
動かないところは、べったりと泥が塗られて、その泥が固まり皮膚がつっぱって動かなくなってしまったという状況。
そして、見てもらった結果、僕の場合は、目のあたりの麻痺が一番大きいようだった。
また、顔は大きく3つの神経エリア(目の部分、頬の部分、口の部分)に分かれているので、それぞれに、麻痺の状況を見ながらハリの打つ場所、本数などを変えていくようだった。
それに、人によって直ぐに効果が現れたり、時間がかかってしまったりと、それぞれ違うようだ。
さて、僕の場合はどうなんだろうか?と、期待感アリアリの一方で不安も・・・。
そして、ハリ治療が始まった。
施術中は赤外線ライトでお腹の辺りを温めていた。
これは体全体の血流を促進する目的があるようだ。
まず、首すじ、頬、おでこのあたりが熱を感じることができるかどうか、温めた器具(石?金属のカタマリ?)を使ってチェック。
何やら線香のような香りが漂う。
心地よい熱量を感じつつ、リラックスしていくのを感じる。
そして、その温めた器具を動かしながら、痛みを感じるところはないか、確認される。
首すじから、口、頬、目、おでこと、一通り温めた後、いよいよハリ治療の開始だ。
ハリを打つ瞬間に「刺しているな」という感覚はあるが、痛いというほどのことでもない。
それでも、これまでハリを打ったことがないので、最初は体がこわばって握りこぶしに力が入ってしまう。
首すじ、くちびる周辺、頬、鼻の近く、こめかみ、まぶた周辺、おでこ、頭部、腕など、総本数は50本近く打っているようだった。
打つ場所によっては、その瞬間からじわーっとすることもあるが、ほとんどは何も変化を感じない。
それでも、打ち終わって、15分くらいそのままの状態でいると、なんとなく手先や顔の右側がじわーっとしてきた。
ハリを打つと、施術が終わった直後はあざができたり、ときに出血することもあるようだが、鏡で確認したところ、特に跡が残っていることはなかった。
そして、ハリを打って約15分後、すべての針を抜いたら、頭や首すじのマッサージ。
頭が緊張しているのか、とても硬かったという事だ。
これもストレスの影響なのかもしれない。
施術終了後は、すっきりとした感じで、頭も顔も軽い感じになっていたが、時間が経つにつれ、自宅に戻るころには、元に戻ってしまったかのよう。
その時、「僕の場合は麻痺を克服するまで時間がかかるかもしれない」と覚悟した・・・。
人によっては直ぐに効果が出始めることもあるという事で、期待感アリアリだったのだが、それほどでもなかったことは残念。
一方で、病院通いをしたとしても、なかなか良くはならないだろうということも理解した。
次回のハリ治療は8月26日になったのだが、1週間おきでも良いのだろうかと少々懸念もあったが、まずは鍼灸師の判断を信頼することにした。
また、日常のリハビリとして、麻痺している部分を軽くタップする、口を横に広げる時は目を指で開いた状態で行う、温めることも効果があるが、ずっと温めすぎない(緩みっぱなしは良くない)など。
その夜、就寝時に右目が閉じるかどうか気になっていたが、完全に閉じるようになっていた。
これが、今回一回目のハリ治療で、一番効果を実感したことだ。
◆8月21日(金):ハリ治療翌日に変化は?・・・発症から6日目
起床後すぐに、何か変化が起きているか?と期待したが、特に変化は無し。
それでも、朝食をとってしばらくすると、上くちびるの右上の辺りから頬にかけてが、何かジンジンとしているような感覚が出てきた。
右目の下あたりがピクピクする時もある。
また、右の下くちびるの下あたりにも、ジンジンとした感覚。
これは、ハリ治療の効果と言えるのかどうか。
でも確かに言えることは、昨日、鍼灸院に行く前までにはなかった感覚。
一方で、首の痛みは残っている。
なにか圧迫されているような感じで、後頭部をぐーっと押されているような感覚もある。
昼になって、ハリを打ったあたりを強くさすったり、押したりすると皮膚の奥深くがちょっと痛い。
これは、ハリ治療の効果が出てきていると判断しても良いのかどうか。
でもきっと効果がでてきているんだと自分を納得させる。
口を動かすリハビリの一環として、あいうえおの50音をゆっくりと発話してみる。
ほとんど右側は動かない状況。
そして、首の痛みがなかなか治まらないので、首のツボを押して血流を改善する取り組みを始めた。
押す時に腹式呼吸で息を吸って、離す時に息を吐くように。
すると、眉毛のあたりや、頬、くちびるがヒクヒクするようになった。
首の痛みも少し緩和されたような気がする。
これは有効かもしれない!
今後、入浴中や、就寝前にもやってみることにした。
また、以前、会社勤めをしていて責任が重くなってきたころ、自律神経失調症になってしまい、その時、自律訓練法を実践して克服したことがあった。
そのことを思い出し、今回、改めて就寝時に取り組んでみることにした。
◆8月22日(土):現在の状況と今後取り組むこと・・・発症から7日目
この日は用事があったので終日外出。
でも、顔面神経麻痺だからねぇ・・・
コロナが逆に幸いしている。
暑いさ中、マスクして歩いても変に思われないし。
そして夕方帰宅。
やっぱり外出するのは気持ちがいい。
リラックスできたことで、顔の右側の動きも出てきたように感じている。
そして、発症後から1週間がたち、今後の取り組みについて考えてみた。
最初に神経内科を受診してMRI検査も行い、「原因不明の顔面神経麻痺」と診断された。
また、改めてこれまでの生活を振り返り、ほぼ一日中パソコンを使った仕事をしていて、徐々に首や肩にコリが生じ、それが慢性化することによって身体にストレスを与え続ける結果となったのだと理解している。
そして、そのストレスによって顔面神経麻痺を発症し、首や肩に異常なコリが残っている、と。
では、この症状を克服するためにどうするか?ということだが、
今考えていることは、
- 顔面神経麻痺を克服するために局所療法として「ハリ治療」を受ける。
- ココロとカラダのバランスを整えるために日常生活を変える。
ということだ。
すでにハリ治療は受け始めているし、就寝時間を早くする、仕事の仕方を変える、自律訓練法を実践する、東洋医学を意識したボディケアに取り組むなど、日常生活を変えつつある。
そして、これからも、頑迷神経麻痺を克服すべく、日々取り組み、その取り組み状況についてこのブログで紹介していく。
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