〔株主優待〕12月決算の総合レストランチェーン5社!おススメの銘柄は?

投資

今回は、株主優待に注目し、株価上昇が期待できながらも、配当や株主優待もしっかりとゲットできる!そんな欲張りな銘柄を絞り込みたいと思います。

対象となる銘柄は、12月決算のレストランチェーンを経営する5社(2675 ダイナック/ 3082 きちり/ 3197 すかいらーく/ 7625 グローバルダイニング/ 8179 ロイヤルHD)です。

今回の分析も参考にしながら、今から検討を進め、12月末に株主優待の権利が確定する銘柄5社の中から、実際に購入する銘柄を決めていただけたらと思います。

 

まず最初に、外食産業の動向について確認しておきます。

外食産業の動向は?

日本フードサービス協会が2018年9月25日付で、同協会の会員会社で構成される外食産業の市場動向調査における最新値となる、2018年8月度の調査結果を公開していますので、その中から、レストランチェーンに関する部分を引用して紹介します。

外食市場 8月の動向は?

雨天少なく客数堅調、客単価上昇で売上は前年を上回る

<全体概況>
8月は、台風の上陸や集中豪雨、猛暑など、マイナス面もあったが、東京などで長雨の続いた前年と比べると雨天日が少なく、全体の客数は101.0%となった。加えて価格改定や各社各様のキャンペーン、季節メニューの訴求等による客単価の上昇が続いており、全体売上は102.9%と、24ヵ月連続して前年を上回った。

ファミリーレストラン業態の状況は?

  • 全体売上は102.5%と前年を上回った。
  •  業種別では、「洋風」は、専用のスマホアプリの活用で店内販売、デリバリーともに好調のところ、デザート販売が奏功し客単価が上昇したところなどがあり、売上は101.2%。「和風」は、猛暑の中、提供メニューの違いが明暗を分けたが、全体では客単価上昇で売上101.0%。「中華」は、キャンペーン効果に加えメディア露出などで客
    数が増え、売上は105.7%。「焼き肉」は、夏休みやお盆の帰省需要を取り込み集客好調、売上105.9%と21ヵ月連続して前年を上回った。

ディナーレストラン業態の状況は?

  • 各社まちまちだが、大型の新店効果とお盆需要が牽引し、売上は104.2%となった。

(以上、一般社団法人日本フードサービス協会HPより引用)

株主優待銘柄:12月決算・レストランチェーン5社!3年間のポジショニングの動きでわかることは?

ポジショニングマップ上に示した5社の3年間のポジション変化を見ることができれば、他社との相対的な位置関係と、その位置取りの変化、加えて、その変化が業績に対してどのような意味を持つのか、が明らかとなり、そして、株価の動きとの関係について、自ら判断することができるようになります。

今回分析対象としたレストランチェーン5社とは?

2675 ダイナック/ 3082 きちり/ 3197 すかいらーく/ 7625 グローバルダイニング/ 8179 ロイヤルHD

各銘柄の特徴は?

2675 ダイナック

サントリー外食事業の中核。「響」「パパミラノ」等レストランとゴルフ場内食堂受託の2本柱

3082 きちり

高級居酒屋「KICHIRI」等を直営展開。関西から関東に軸足。自社管理システムの外販育成

3197 すかいらーく

ファミレス最大手。主力は「ガスト」。中華「バーミヤン」や和食「夢庵」も展開。14年10月に再上場

7625 グローバルダイニング

都内軸に「ラ・ボエム」など和・洋食のダイニングレストランを展開。米国にも出店。オーナー色

8179 ロイヤルHD

外食老舗。「ロイヤルホスト」と天丼「てんや」が柱。空港など施設内食堂や機内食、ホテルも展開

(以上、Yahooファイナンスの企業情報より引用)

12月決算レストランチェーン5社の3年間の業績をマーケティング分析手法を使って分析した結果は?

12月決算レストランチェーン5社を分析する指標は8つ(ROA、ROE、売上高経常利益率、総資産回転率、自己資本比率、売上高成長率、キャッシュフローマージン、フリーキャッシュフロー)です。

8つの指標を選んだ理由については、マーケティング分析手法を応用した株スクリーニングに使用する8つの指標は?で説明していますので、そちらを参考にしてください。

そして、今回の分析対象期間は、2015年度、2016年度、2017年度です。

6月決算が、3082 きちり、その他の銘柄は12月決算となっています。

12月決算レストランチェーン5社の3年間のポジショニングの変化は?

12月決算レストランチェーン5社の3期分の財務データから8つの指標を算出し、マーケティング分析手法の一つである因子分析を実施。

その因子得点を求め、ポジショニングマップ上に示しました。

は2015年度、は2016年度、は2017年度を示しています。

ポジショニングマップは、横軸の右方向に行けばいくほど、収益性が高いことを示しており、中心から、右上方向へ行けばいくほど、総合力が強いことを示しています。

また、縦軸の下方向へ行けばいくほど、安定性が高いことを示しており、左上方向へ行けばいくほど、効率性が高いことを示しています。

年度が変わることによる、ポジション変化に大きな特徴は見られませんので、5社全体として大きな業績変化があったとは言えないように思います。

この後、個別の銘柄ごとにポジション変化の状況と、業績変化との関係を見ていきます。

各銘柄のポジショニングに変化は?

2675 ダイナック

ポジショニングマップは、左上側エリアに位置していますので、12月決算レストランチェーン5社の中で、比較的効率性が高いことを示しています。

そして、2015年度から年々下の方へ移動していますので、その効率性が悪くなってきていることがわかります。

また、中心より左側に位置していますので、5社の中で比較的収益性が低いことを示しています。

株価は、3年間の平均伸び率(CAGR)が+3.7%と上昇しています。

年度ROAROE経常

利益率

総資産

回転率

自己資本

比率

売上高

成長率

CF

マージン

フリーCF

10億円

20156.7%8.9%2.6%262.0%29.4%3.9%4.0%0.8
20166.7%5.9%2.6%256.1%30.0%-0.4%4.5%0.7
20175.4%7.4%2.1%255.5%31.7%-0.3%3.1%0

指標は、2015年度に売上高が増加していますが、2016年度、2017年度と続けて若干の減少で、足踏み状態となっています。

収益性を示す経常利益率が2%台と低く、2017年度には2.1%まで落ちています。

一方、効率性を示す総資産回転率は250%台と高い数値を示しています。

3082 きちり

ポジショニングマップは、横軸の中心近く、縦軸の上方に位置しており、収益性は5社の中で平均的であることを示しています。

2015年度は、右上側エリアに位置していたのですが、2016年度に左下へ移動し、2017年度は2016年度とほぼ同じ位置となっていますので、2015年度から2016年度にかけて収益性が低下しましたが、2017年度は前年度とほぼ同様の収益性であったことを示しています。

また、右上から左下へポジションを変えてきていますので、総合力が弱くなってきていることを示しています。

株価は、3年間の平均伸び率(CAGR)が+21.1%と大きく上昇しています。

年度ROAROE経常

利益率

総資産

回転率

自己資本

比率

売上高

成長率

CF

マージン

フリーCF

10億円

201510.6%16.3%5.3%200.6%39.6%9.0%6.7%0.1
20167.2%10.0%3.6%199.8%41.3%10.1%6.6%-0.3
20178.1%7.9%3.8%210.4%43.3%4.5%6.0%0.4

指標は、売上高が年々増加していますが、収益性を示す経常利益率は2015年度に5.3%でしたが、2016年度、2017年度は3%台と低下しています。

総合力を示すROAとROEが、2015年度は10%を超えていましたが、2017年度には、一ケタ台へと低下しています。

これらの指標の推移は、先述のポジショニングマップ上での動きに対するコメントを裏付けるものになっています。

3197 すかいらーく

ポジショニングマップは、中心より右上側エリアに位置し、5社の中では比較的収益性が高いことを示しています。

2015年度から2016年度にかけて、ポジションは右上へと移動していますので、収益性が高くなるとともに、総合力も強くなっていることを示していますが、2017年度には、ほぼ2015年度とほぼ同じ位置、若干下の方に戻ってきていますので、収益性と、総合力が2015年度とほぼ同じ状況になっていると考えられます。

株価は、3年間の平均伸び率(CAGR)が+1.1%と若干の上昇となっています。

年度ROAROE経常

利益率

総資産

回転率

自己資本

比率

売上高

成長率

CF

マージン

フリーCF

10億円

20157.9%15.3%7.0%111.5%32.8%3.3%9.4%14.6
20169.1%16.8%8.2%111.4%35.9%1.0%10.2%19.4
20178.0%14.1%7.1%112.7%39.3%1.4%8.8%11.9

指標は、売上高が堅調に伸びていますが、収益性を示す経常利益率は、2016年度に8.2%へ上昇した一方で、2017年度には、2015年度とほぼ同じ7%台になっています。

また、総合力を示すROA、ROEも2016年度には上昇していますが、2017年度には下落しています。

これらの指標の推移は、先述のポジショニングマップ上での動きに対するコメントを裏付けるものになっています。

7625 グローバルダイニング

ポジショニングマップは、左下側エリアに位置し、安定性が高い一方で、5社の中で比較的収益性が低いことを示しています。

また、2015年度から2016年度にかけて、左側へポジションが移動し、さらに、2017年度にはポジションが左側へ移動していますので、年々、収益性が低くなっていることを示しています。

株価は、3年間の平均伸び率(CAGR)が、+6.5%と上昇しています。

年度ROAROE経常

利益率

総資産

回転率

自己資本

比率

売上高

成長率

CF

マージン

フリーCF

10億円

20152.1%-0.5%1.6%129.4%57.2%-6.5%3.1%-0.1
20160.1%-1.9%0.1%128.2%53.9%2.3%2.4%-0.2
2017-0.4%-5.7%-0.3%137.8%54.3%0.6%3.0%0.1

指標は、売上高が2015年度に減少していますが、2016年度、2017年度は増加しています。しかし、収益性を示す経常利益率が2015年度は1.6%、2016年度が0.1%と何とか黒字を確保したのですが、2017年度には赤字転落となっています。

総合力を示すROEが3年間マイナスとなっていますので、最終利益が赤字だったことを示しています。

8179 ロイヤルHD

ポジショニングマップは、中心やや右下側エリアに位置し、5社の中で比較的収益性が高いことを示しています。

3年間のポジションの変化がほとんどありませんが、2017年度には若干右側へ移動していますので、収益性が高くなってきていることを示しています。

株価は、3年間の平均伸び率(CAGR)が+17.5%と上昇しています。

年度ROAROE経常

利益率

総資産

回転率

自己資本

比率

売上高

成長率

CF

マージン

フリーCF

10億円

20155.5%6.1%3.9%143.4%50.4%4.4%6.3%3.1
20165.5%5.1%3.9%141.4%50.3%2.1%6.9%3.3
20176.2%7.2%4.5%139.6%52.5%1.9%6.9%5.1

指標は、売上高が年々増加しており、収益性を示す経常利益率が、2015年度、2016年度と同じでしたが、2017年度には4.5%へ上昇しています。

総合力を示すROA、ROEも、2017年度にはそれぞれ上昇しています。

12月決算レストランチェーン5社のポジショニング分析から見えてきたことは?

ポジショニング分析では、マップ上の位置と、3年間のポジションの変化を見て、投資対象とするか否かの判断をすることになります。

マップ上では、中心より右側に位置していれば、今回分析の5社の中で収益性が高いことを示しています。

また、3年間のポジションの変化が、左から右へと移動していれば、収益性が高くなってきていると判断できます。

ポジショニングマップ上で右側に位置している銘柄は?

3197 すかいらーく、8179 ロイヤルHDが該当します。

ポジショニングマップ上で3年間のポジションが左から右へと移動している銘柄は?

8179 ロイヤルHDが、動きはわずかですが、2015年度から2017年度にかけて、左から右へとポジションが移動しているように見えます。

ポジショニング分析から見たおススメの銘柄は?

以上、2つの視点両方に該当する銘柄は、8179 ロイヤルHDでした。

また、ポジショニングマップで右側に位置する銘柄という視点では、3197 すかいらーくも該当しました。

この2銘柄をポジショニング分析から見たおススメの銘柄にしたいと思います。

3197 すかいらーく、8179 ロイヤルHD!株主優待の内容は?

そして、この2銘柄の株主優待情報を調べてみました。

証券

コード

銘柄名株価

(9/26)

株主優待

株数

最低

取得額(円)

1株あたり配当金(円)配当

利回り

株主優待(円)内容

(食事券)

優待

利回り

3197すかいらーく1,681円100168,100382.26%6,0003,000円×2回3.57%
8179ロイヤルHD2,964円100296,400301.01%1,000500円×2回0.34%

利回りで見ますと、配当金、株主優待共に、3197 すかいらーくの方が良いです。

現状、銀行預金、郵便貯金の利率がほぼゼロに等しい現状を考えれば、業績が良くて株価上昇期待もあり、しかも、配当金も株主優待も貰える、この2銘柄は投資対象として魅力的ではないでしょうか?

この2銘柄、12月決算ですので、まだ検討する時間はあります。

日々の株価の動きも見ながら、投資対象として検討してみては如何でしょうか?

 

次回は、引き続き、和食・洋食・焼肉・ハンバーグなど、12月決算のレストランを対象におススメの銘柄を紹介します!

 

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