今回は、株主優待に注目し、株価上昇が期待できながらも、配当や株主優待もしっかりとゲットできる!そんな欲張りな銘柄を絞り込みたいと思います。
対象となるのは、1月28日に権利確定し、株主優待として「QUOカード」を提供している銘柄6社(1433 ベステラ/ 3246 コーセーアールイー/ 3458 シーアールイー/ 3921 ネオジャパン/ 6387 サムコ/ 6654 不二電機工業)です。
今回の分析も参考にしながら、1月28日に株主優待の権利が確定する銘柄6社の中から、実際に購入する銘柄を決めていただけたらと思います。
1月権利確定の株主優待銘柄!「QUOカード」提供の6社!!3年間のポジショニングの動きでわかることは?
ポジショニングマップ上に示した6社の3年間のポジション変化を見ることができれば、他社との相対的な位置関係と、その位置取りの変化、加えて、その変化が業績に対してどのような意味を持つのか、が明らかとなり、そして、株価の動きとの関係も参考にしながら、投資対象として適切な銘柄を自ら判断することができるようになります。
今回分析対象とした6社とは?
1433 ベステラ/ 3246 コーセーアールイー/ 3458 シーアールイー/ 3921 ネオジャパン/ 6387 サムコ/ 6654 不二電機工業
各銘柄の特徴と株主優待の内容は?
1433 ベステラ
製鉄所や発電所、石油化学等のプラント解体工事マネジメント会社。複数の特許工法を有する
株主優待は、QUOカード1,000円相当がもらえます。
3246 コーセーアールイー
福岡都市圏中心にマンションや投資用ワンルーム開発・分譲。近隣県や首都圏で情報収集拡大
株主優待は、QUOカード(500円相当~)がもらえますが、1年以上の株式保有をしていることが条件となりますので注意が必要です。
3458 シーアールイー
物流施設の賃貸管理、開発、アセットマネジメントを手掛ける。首都圏地盤で大阪、福岡に展開
株主優待は、QUOカードが年間1,500円相当(1月株主に500円相当、7月株主に1,000円相当)がもらえます。
3921 ネオジャパン
企業や官公庁向けパッケージ販売とクラウドサービスが2本柱。流通卸やSI経由の売上多い
株主優待は、QUOカード(500円相当~)が年2回(1月株主と、7月株主)もらえます。
6387 サムコ
半導体など電子部品製造装置の研究開発型企業。LED向け薄膜形成、加工が主軸。アジア注力
株主優待は、QUOカード1,000円相当がもらえます。株式の保有期間が2年を超えると、2,000円相当がもらえるようになります。
6654 不二電機工業
制御用開閉器で高シェア。電子応用機器に展開。電力向け多い。一部直販制。海外市場も狙う
株主優待はQUOカード500円相当~が年2回(1月株主と、7月株主)もらえます。株式保有期間が3年以上になると、もらえるQUOカードが2倍になります。
(以上、Yahooファイナンスの企業情報、および、各企業のHPより引用)
今回対象の6社!!3年間の業績をマーケティング分析手法を使って分析した結果は?
今回対象の6社を分析する指標は8つ(ROA、ROE、売上高経常利益率、総資産回転率、自己資本比率、売上高成長率、キャッシュフローマージン、フリーキャッシュフロー)です。
8つの指標を選んだ理由については、マーケティング分析手法を応用した株スクリーニングに使用する8つの指標は?で説明していますので、そちらを参考にしてください。
そして、今回の分析対象期間は、2015年度、2016年度、2017年度です。
1433 ベステラ、3246 コーセーアールイー3921、ネオジャパン、6654 不二電機工業が1月決算で、3458 シーアールイー、6387 サムコは、7月決算となっています。
今回対象の6社!!その3年間のポジショニングの変化は?
6社の3期分の財務データから8つの指標を算出し、マーケティング分析手法の一つである因子分析を実施。
その因子得点を求め、ポジショニングマップ上に示しました。
◆は2015年度、■は2016年度、▲は2017年度を示しています。
ポジショニングマップは、横軸の右方向に行けばいくほど、総合力が強く、効率性が高いことを示しており、縦軸の上方向へ行けばいくほど、収益性が高いことを示しています。
この後、個別の銘柄ごとにポジション変化の状況と、業績変化との関係を見ていきます。
各銘柄のポジショニングに変化は?
1433 ベステラ
ポジショニングマップは、右側エリアに位置し、6社の中で比較的総合力が強く、効率性が高いことを示しています。
2015年度には、比較的収益性が高かったのですが、2016年度、2017年度は、6社の中で平均的な収益性になっています。
株価は、3年間の平均伸び率(CAGR)が+42.4%と大きく上昇していますが、直近(2019年1月7日)の株価は1,518円と、2015年度末の株価(1,030円)に対しては上昇していますが、2017年度末の株価(2,089円)に対して下落しています。
年度 | ROA | ROE | 経常 利益率 | 総資産 回転率 | 自己資本 比率 | 売上高 成長率 | CF マージン | フリーCF 10億円 |
2015 | 14.4% | 18.4% | 12.1% | 119.3% | 63.6% | 25.7% | -1.9% | -0.1 |
2016 | 9.6% | 12.8% | 9.7% | 99.1% | 51.7% | 8.7% | -18.1% | -0.8 |
2017 | 9.6% | 11.7% | 8.3% | 115.1% | 59.7% | 7.5% | 8.2% | 0.4 |
指標は、成長性を示す売上高が2015年度は25%台の大きな伸びを示していますが、2016年度、2017年度は一ケタ台の伸びとなっています。
収益性を示す経常利益率は、2015年度は12%台と二桁の利益率でしたが、2016年度、2017年度は一ケタ台の利益率になっています。
総合力を示すROA、ROEは、年々低下しています。
3246 コーセーアールイー
ポジショニングマップは、右側エリアに位置し、6社の中で比較的総合力が強く、効率性が高いことを示しています。
2015年度から2017年度にかけてポジションが右下側から右上側へと移動していますので、収益性が改善し、さらに、6社の中で平均的な収益性になり、業績が伸びていることが窺がえます。
株価は、3年間の平均伸び率(CAGR)が+77.7%と大きく上昇していますが、直近(2019年1月7日)の株価は830円と、2015年度末の株価(387.5円)に対しては上昇していますが、2017年度末の株価(1,223円)に対して下落しています。
年度 | ROA | ROE | 経常 利益率 | 総資産 回転率 | 自己資本 比率 | 売上高 成長率 | CF マージン | フリーCF 10億円 |
2015 | 6.6% | 22.4% | 8.7% | 75.4% | 22.9% | 24.3% | -15.5% | -0.6 |
2016 | 8.6% | 25.1% | 10.7% | 80.9% | 23.6% | 29.4% | -10.2% | -0.8 |
2017 | 11.8% | 24.6% | 13.6% | 87.0% | 43.1% | 25.8% | 15.8% | 1.0 |
指標は、成長性を示す売上高が2015年度から2017年度にかけて20%台の大きな伸びを示しています。
収益性を示す経常利益率は、2015年度には一ケタ台でしたが、2016年度に二桁台にのせ、2017年度には更に上昇しています。
総合力を示すROAは年々上昇し、ROEは、20%台の高い数値を維持しています。
以上の指標から、順調に業績を伸ばしていることがわかりますし、この結果が、ポジショニングマップの右上方向への移動となって現れています。
3458 シーアールイー
ポジショニングマップは、右側エリアに位置し、6社の中総合力が強く、効率性が高いことを示しています。
2015年度から2016年度にかけて、右下側エリアから右上側エリアへ移動していますので、収益性が高くなりましたが、2017年度には右下側エリアへ移動しており、収益性が低下したことがわかります。
株価は、3年間の平均伸び率(CAGR)が+26.9%と上昇しています。
そして、直近(2019年1月7日)の株価は977円と、2017年度末の株価(959円)に対して上昇しています。
年度 | ROA | ROE | 経常 利益率 | 総資産 回転率 | 自己資本 比率 | 売上高 成長率 | CF マージン | フリーCF 10億円 |
2015 | 11.0% | 22.7% | 12.2% | 90.4% | 30.4% | 34.2% | 12.4% | 1.4 |
2016 | 13.4% | 26.4% | 12.2% | 109.5% | 42.7% | 19.6% | 6.0% | 1.6 |
2017 | 7.3% | 12.9% | 9.2% | 79.5% | 39.9% | -17.0% | 8.9% | -0.8 |
指標は、成長性を示す売上高が、2015年度に30%台の大きな伸びを示し、2016年度も20%弱の伸びでしたが、2017年度には、17%低下しています。
これは、不動産管理におけるリース物件が高稼働率を維持する一方で、物流投資事業が足踏みという状況が影響しているようです。
この売上高減少の影響により、収益性を示す経常利益率、総合力を示すROA、ROEが低下しています。
3921 ネオジャパン
ポジショニングマップは、右上側エリアに位置し、6社の中で比較的総合力が強く、かつ、効率性も高く、そして、収益性も高いことを示しています。
2015年度から2017年度にかけて、ほぼ同じ位置取りとなっていることから、安定した業績であることが窺がえます。
株価は、3年間の平均伸び率(CAGR)が、+78.2%と大きく上昇していますが、直近(2019年1月7日)の株価は771円と、2015年度末の株価(546円)に対しては上昇していますが、2017年度末の株価(1,733円)に対しては大きく下落しています。
年度 | ROA | ROE | 経常 利益率 | 総資産 回転率 | 自己資本 比率 | 売上高 成長率 | CF マージン | フリーCF 10億円 |
2015 | 11.4% | 11.2% | 20.3% | 56.0% | 74.7% | 10.4% | 20.2% | 0.2 |
2016 | 11.5% | 11.1% | 20.2% | 56.8% | 75.9% | 11.1% | 17.9% | 0.2 |
2017 | 11.0% | 10.9% | 19.5% | 56.5% | 76.3% | 9.3% | 18.3% | 0.2 |
指標は、成長性を示す売上高が、2015年度から2017年度にかけて、ほぼ10%台の安定した伸びとなっています。
収益性を示す経常利益率は、ほぼ20%台で推移していますし、総合力を示すROA、ROEもほぼ10%台と安定していますので安心感のある業績推移だと思います。
6387 サムコ
ポジショニングマップは、左側エリアに位置し、6社の中で比較的総合力が弱く、効率性が低いことを示しています。
2015年度から2016年度にかけて、左下方向へ移動していますので、総合力、効率性、収益性が悪化した一方で、2017年度には、2015年度のポジションより右側へ移動していますので、業績回復となったことが窺えます。
株価は、3年間の平均伸び率(CAGR)が+22.6%と上昇していますが、直近(2019年1月7日)の株価は867円と、2015年度末の株価(812円)に対しては上昇していますが、2017年度末の株価(1,220円)に対しては下落しています。
年度 | ROA | ROE | 経常 利益率 | 総資産 回転率 | 自己資本 比率 | 売上高 成長率 | CF マージン | フリーCF 10億円 |
2015 | 5.2% | 4.5% | 10.4% | 50.3% | 78.6% | 1.8% | 22.1% | 1.0 |
2016 | -2.1% | -3.3% | -6.9% | 30.8% | 79.0% | -41.6% | 9.4% | 0.1 |
2017 | 5.9% | 5.0% | 11.7% | 50.1% | 75.9% | 75.0% | -4.1% | -0.2 |
指標は、成長性を示す売上高が2016年度に大幅に減少し、2017年度には2015年度を若干上回るレベルにまで回復しています。
この影響で、収益性を示す経常利益率は、2016年度に赤字転落となっていますが、2017年度には二ケタ台へと回復しています。
また、総合力を示すROA、ROEについても同様に2016年度には赤字転落となっていますが、2017年度にはいずれも5%台へと回復しています。
6654 不二電機工業
ポジショニングマップは、左側エリアに位置し、6社の中で比較的総合力が弱く、効率性が低いことを示しています。
2015年度から2017年度にかけて、左下方向へ移動する動きになっていますので、総合力、効率性、収益性が悪化しつつあることが窺えます。
株価は、3年間の平均伸び率(CAGR)が+0.4%とほぼイーブンとなっていますが、直近(2019年1月7日)の株価は1.299円と、2015年度末の株価(1,376円)、2017年度末の株価(1,386円)、それぞれに対して下落しています。
年度 | ROA | ROE | 経常 利益率 | 総資産 回転率 | 自己資本 比率 | 売上高 成長率 | CF マージン | フリーCF 10億円 |
2015 | 5.5% | 3.8% | 15.7% | 35.1% | 93.4% | 6.6% | 15.4% | 0.3 |
2016 | 4.3% | 2.9% | 12.4% | 34.8% | 94.4% | -5.8% | 12.9% | 0.8 |
2017 | 2.8% | 2.4% | 8.0% | 35.5% | 93.5% | 3.5% | 13.2% | 0.2 |
指標は、成長性を示す売上高が2016年度に減少し、2017年度には増加に転じ、2015年度実績を若干上回るレベルにまで回復しています。
収益性を示す経常利益率は、2015年度には15%台でしたが、2016年度、2017年度と連続して低下し、2017年度には一ケタ台になっています。
また、総合力を示すROA、ROEについても同様に年々低下しています。
今回対象の6社!!そのポジショニング分析から見えてきたことは?
ポジショニング分析では、マップ上の位置と、3年間のポジションの変化を見て、投資対象とするか否かの判断をすることになります。
マップ上では、2017年度が中心より右上側エリアに位置していれば、今回分析の6社の中で総合力が強く、かつ、効率性と収益性が高いことを示しています。
また、3年間のポジションの変化が、下から上へと移動していれば、収益性が高くなってきていると判断できます。
ポジショニングマップ上で右上側に位置している銘柄は?
3246 コーセーアールイー、3921 ネオジャパンが該当します。
ポジショニングマップ上で3年間のポジションが下から上へと移動している銘柄は?
3246 コーセーアールイー、3921 ネオジャパンが該当します。
ポジショニング分析から見たおすすめの銘柄は?
以上、2つの視点両方に該当する銘柄は、3246 コーセーアールイー、3921 ネオジャパンでしたが、直近の業績内容(第3四半期決算と通期業績予想)と収益性の点から、3921 ネオジャパンをポジショニング分析から見たおすすめの銘柄にしたいと思います。
3921 ネオジャパン!株主優待の内容は?
この銘柄の株主優待情報を調べてみました。
証券コード | 銘柄名 | 株価 (1/7) | 株主優待 株数 | 最低取得額 (円) | 1株あたり 配当金(円) | 配当 利回り | 株主優待 内容 |
3921 | ネオジャパン | 771円 | 100 | 77,100 | 5.0 | 0.65% | QUOカード 500円相当 (半年)×2回 |
3921 ネオジャパンの配当利回りは、0.65%。
そして、株主優待は、年2回(1月株主と7月株主)、QUOカード500円相当がもらえます。
銀行預金、郵便貯金の利率がほぼゼロに等しい現状を考えれば、業績が良くて株価上昇期待もあり、しかも、配当金も株主優待ももらえる、この銘柄は投資対象として魅力的ではないでしょうか?
日々の株価の動きも見ながら、投資対象として是非検討してみてください。
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