〔株主優待〕11月権利確定の「食事券」提供5社!おススメの銘柄は?

投資

今回は、株主優待に注目し、株価上昇が期待できながらも、配当や株主優待もしっかりとゲットできる!そんな欲張りな銘柄を絞り込みたいと思います。

対象となるのは、11月27日に権利確定し、株主優待として「食事券」を提供している銘柄5社(3075 銚子丸/ 3547 串カツ田中HD/4465 ニイタカ/ 9369 キューソー流通システム/ 9720 ホテル、ニューグランド)です。

今回の分析も参考にしながら、検討を進め、11月27日に株主優待の権利が確定する銘柄5社の中から、実際に購入する銘柄を決めていただけたらと思います。

11月権利確定の株主優待銘柄!「食事券」提供の5社!!3年間のポジショニングの動きでわかることは?

ポジショニングマップ上に示した5社の3年間のポジション変化を見ることができれば、他社との相対的な位置関係と、その位置取りの変化、加えて、その変化が業績に対してどのような意味を持つのか、が明らかとなり、そして、株価の動きとの関係も参考にしながら、投資対象として適切な銘柄を自ら判断することができるようになります。

今回分析対象とした5社とは?

3075 銚子丸/ 3547 串カツ田中HD/4465 ニイタカ/ 9369 キューソー流通システム/ 9720 ホテル、ニューグランド

各銘柄の特徴と株主優待の内容は?

3075 銚子丸

郊外型回転ずし「すし銚子丸」を直営展開。千葉地盤。1皿100円台〜500円台と価格多様

株主優待は、銚子丸で利用できる食事優待券が年間5,000円相当もらえます。

3547 串カツ田中HD

「串カツ田中」の単一ブランドで関東圏を中心に直営とFCで展開。長期で1000店体制目標

株主優待は、お食事券(2,000円相当~)となります。

4465 ニイタカ

業務用洗剤、洗浄剤、固形燃料の製造、販売。旅館や外食向けの固形燃料は国内シェア6割以上

株主優待は、5月末はジェフグルメカード500円分が、11末は自社製品(食器用洗剤、釜飯など)がもらえます。ジェフグルメカードは、全国約35,000の飲食店で利用できます。

9369 キューソー流通システム

食品物流最大手。キユーピー系だが依存度1割台。チルド、冷凍品に強み。全国で小口輸配送も

株主優待は、ジェフグルメカード(1,000円相当)がもらえます。1枚500円から利用でき、全国35,000店舗の大手外食店を中心にご使用いただけます。ガスト・デニーズなどのファミリーレストラン、吉野家・ココイチなどの軽食チェーン店、和民・甘太郎などの居酒屋でも使えます。

9720 ホテル、ニューグランド

横浜財界が母体となった港に臨む伝統あるホテル。ブランド力強い。本館隣にテナントビル

株主優待は、通常は、ホテル内レストラン10%引き、宿泊料10%引き、無料コーヒー券5枚ですが、今年11月限定で、記念優待(ホテル内レストラン30%引き、宿泊料30%引き、以上3枚ずつ)があります。

(以上、Yahooファイナンスの企業情報、および、各企業のHPより引用)

11月権利確定の株主優待銘柄!「食事券」提供の5社!!3年間の業績をマーケティング分析手法を使って分析した結果は?

11月権利確定の株主優待銘柄である「食事券」提供の5社を分析する指標は8つ(ROA、ROE、売上高経常利益率、総資産回転率、自己資本比率、売上高成長率、キャッシュフローマージン、フリーキャッシュフロー)です。

8つの指標を選んだ理由については、マーケティング分析手法を応用した株スクリーニングに使用する8つの指標は?で説明していますので、そちらを参考にしてください。

そして、今回の分析対象期間は、2015年度、2016年度、2017年度です。

5月決算が、3075 銚子丸、4465 ニイタカ、その他の銘柄は11月決算となっています。

11月権利確定の株主優待銘柄!「食事券」提供の5社!!その3年間のポジショニングの変化は?

5社の3期分の財務データから8つの指標を算出し、マーケティング分析手法の一つである因子分析を実施。

その因子得点を求め、ポジショニングマップ上に示しました。

は2015年度、は2016年度、は2017年度を示しています。

ポジショニングマップは、横軸の右方向に行けばいくほど、収益性が高く、総合力が強いことを示しており、縦軸の上方向へ行けばいくほど、キャッシュを稼ぐ力が強いことを示しています。

この後、個別の銘柄ごとにポジション変化の状況と、業績変化との関係を見ていきます。

各銘柄のポジショニングに変化は?

3075 銚子丸

ポジショニングマップは、右側エリアに位置し、5社の中で比較的収益性が高いことを示しています。

2015年度から2017年度にかけて、ポジションが左に移動していますので、収益性が低くなり、総合力も弱くなっています。

縦軸方向では、ほぼ中心にありますので、5社の中では平均的なキャッシュを稼ぐ力であることを示しています。

株価は、3年間の平均伸び率(CAGR)が+12.8%とj上昇しています。

年度ROAROE経常

利益率

総資産

回転率

自己資本

比率

売上高

成長率

CF

マージン

フリーCF

10億円

201510.9%8.9%4.9%221.5%62.9%3.4%3.3%0.3
201610.7%7.9%4.9%217.8%66.6%-1.0%4.4%0.6
20176.8%5.0%3.3%207.8%68.6%-3.8%2.7%0.3

指標は、成長性を示す売上高は2015年度に増加していますが、2016年度と2017年度は減少しています。

収益性を示す経常利益率は、2017年度に低下していますが、これは、売上減少が理由のひとつと考えられます。

総合力を示すROA、ROEが年々低下しています。

経常利益率、ROA、ROEが低下傾向にあることが、ポジショニングマップの左への動きとして現れています。

3547 串カツ田中HD

ポジショニングマップは、右側エリアに位置し、5社の中で比較的収益性が高く、総合力が強いことを示しています。

2015年度から2016年度にかけてポジションが移動していますので、収益性が低下し、総合力も弱くなっていますが、2017年度には、2015年度より右側へ移動していますので、収益性、総合力ともに回復し、しかも業績が伸びていることが窺えます。

縦軸方向は、中心より上の位置にありますので、5社の中で比較的キャッシュを稼ぐ力が強いことを示しています。

株価は、株式公開時(2016年9月14日)828.33円に対し、10月4日の終値が3,005円と、約3倍強の上昇となっています。

年度ROAROE経常

利益率

総資産

回転率

自己資本

比率

売上高

成長率

CF

マージン

フリーCF

10億円

201513.1%44.9%10.6%123.4%24.7%84.6%17.6%0.1
201611.7%22.0%10.3%114.3%53.3%58.3%12.4%0.1
201714.2%16.6%9.4%150.9%57.1%39.2%11.6%-0.5

指標は、成長性を示す売上高が年々増加していますが、その伸び率の大きさが目に付きます。

収益性を示す経常利益率は、2017年度に低下していますが、これは、株式公開後の上場維持費用が固定費として影響している可能性があります。

総合力を示すROEが、年々低下していますが、これは、2016年9月に株式公開し、自己資本が増加したことが影響していると考えられます。

4465 ニイタカ

ポジショニングマップは、中心付近に位置し、5社の中で平均的な収益性、総合力であることを示しています。

2015年度から2016年度にかけて、右上へ移動していますので、収益性が高く、総合力が強くなり、また、キャッシュを稼ぐ力も強くなったことを示していますが、2017年度に、左下「中心付近)に移動していますので、収益性が低くなり、総合力が弱くなったことがわかります。

株価は、3年間の平均伸び率(CAGR)が+15.5%と上昇しています。

年度ROAROE経常

利益率

総資産

回転率

自己資本

比率

売上高

成長率

CF

マージン

フリーCF

10億円

20155.0%6.2%4.7%107.1%56.0%5.5%4.4%-0.2
20167.4%9.6%7.1%104.2%56.1%5.2%7.5%0.4
20176.8%9.0%6.6%103.2%56.4%7.1%5.9%0.1

指標は、成長性を示す売上高が年々増加していますが、収益性を示す経常利益率は2017年度に低下しています。

2016年度に減少していますが、2017年度には増加へ転じています。

収益性を示す経常利益率は、2015年度、2016年度と変化がありませんが、2017年度には低下しています。これは、原材料費の上昇や人件費等の増加が影響した可能性があります。

総合力を示すROA、ROEも2017年度には低下しています。

9369 キューソー流通システム

ポジショニングマップは、ほぼ中心に位置し、5社の中で平均的な収益性、総合力であることを示しています。

動きは大きくありませんが、2015年度から、2016年度にかけて、右下方向へ移動していますので、収益性は高く、総合力は強くなっていますが、キャッシュを稼ぐ力は弱くなりつつあるように見受けられます。

また、2017年度には若干左へ移動していますので、収益性は低く、総合力は弱くなっているとと思われます。

株価は、3年間の平均伸び率(CAGR)が、+11.1%と上昇しています。

年度ROAROE経常

利益率

総資産

回転率

自己資本

比率

売上高

成長率

CF

マージン

フリーCF

10億円

20156.0%7.4%2.6%228.5%43.9%1.8%5.4%3.8
20166.7%8.5%3.3%203.0%41.2%-0.3%3.5%-1.1
20176.5%8.4%3.1%207.5%44.0%4.4%4.0%-0.6

指標は、成長性を示す売上高が、2016年度に減少していますが、2017年度には増加しています。

収益性を示す経常利益率は、2016年度に上昇しましたが、2017年度には若干低下しています。

総合力を示すROA、ROEも同様の推移となっており、この業績変化が、ポジショニングマップのポジション変化と一致しています。

9720 ホテル、ニューグランド

ポジショニングマップは、左側エリアに位置し、5社の中で比較的収益性が低いことを示しています。

2015年度には、左上側エリアにポジションがありましたが、2016年度には大きく左下側エリアへポジションを変え、2017年度には再度左上側エリアへとポジションを変えています。

横軸方向では、年々左側へ移動していますので、収益性は低下し、総合力は弱くなっていることを示しています。

縦軸方向では、上下に大きく動いていますので、2016年度にはキャッシュを稼ぐ力が著しく低下しましたが、2017年度には回復しつつあるように見受けられます。

株価は、3年間の平均伸び率(CAGR)が-6.4%と上昇しています。

年度ROAROE経常

利益率

総資産

回転率

自己資本

比率

売上高

成長率

CF

マージン

フリーCF

10億円

20150.4%0.9%0.8%44.5%65.3%11.1%14.5%1
2016-4.8%-12.5%-13.4%35.9%56.4%-17.9%-17.5%-3
2017-4.5%-82.8%-7.3%62.3%35.0%12.6%10.6%0.4

指標は、成長性を示す売上高が2016年度に、大きく減少していますので、その影響が、収益性を示す経常利益率の赤字転落、キャッシュフローマージンのマイナス、総合力を示すROA、ROEのマイナスとなって現れています。

2017年度に売上高は回復しつつあるようですが、経常赤字、ROA、ROEがマイナスとなっています。

自己資本比率も、2015年度の65%台から2017年度には35%へと著しく低下していますので、厳しい経営環境にあると言えます。

11月権利確定の株主優待銘柄!「食事券」提供の5社!!そのポジショニング分析から見えてきたことは?

ポジショニング分析では、マップ上の位置と、3年間のポジションの変化を見て、投資対象とするか否かの判断をすることになります。

マップ上では、2017年度が中心より右側に位置していれば、今回分析の5社の中で収益性が高いことを示しています。

また、3年間のポジションの変化が、左から右へと移動していれば、収益性が高くなってきていると判断できます。

ポジショニングマップ上で右側に位置している銘柄は?

3075 銚子丸、3547 串カツ田中HD、4465 ニイタカ、9369 キューソー流通システムが該当します。

ポジショニングマップ上で3年間のポジションが左から右へと移動している銘柄は?

今回該当はありませんでした。

ポジショニング分析から見たおススメの銘柄は?

以上、2つの視点両方に該当する銘柄はありませんでした。

今回残念な結果になってしまいましたが、今後も、このポジショニング分析によって業績好調で今後も株価上昇が期待できる銘柄を絞り込んでいきたいと思います。

またこれまで、10月権利確定、12月権利確定のおススメ銘柄を紹介していますので、参考にしてください。

10月権利確定のおススメ銘柄
12月権利確定のおススメ銘柄

 

 

 

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