〔株主優待〕12月権利確定の「お菓子」提供5社!おススメの銘柄は?

投資

今回は、株主優待に注目し、株価上昇が期待できながらも、配当や株主優待もしっかりとゲットできる!そんな欲張りな銘柄を絞り込みたいと思います。

対象となるのは、12月権利確定で、株主優待として「お菓子」を提供している銘柄5社(2212 山崎製パン/ 2216 カンロ/ 2226 湖池屋/ 4248 竹本容器/ 6067 メディアフラッグ)です。

今回の分析も参考にしながら、検討を進め、12月末に株主優待の権利が確定する銘柄5社の中から、実際に購入する銘柄を決めていただけたらと思います。

12月権利確定の株主優待銘柄!「お菓子」提供の5社!!3年間のポジショニングの動きでわかることは?

ポジショニングマップ上に示した5社の3年間のポジション変化を見ることができれば、他社との相対的な位置関係と、その位置取りの変化、加えて、その変化が業績に対してどのような意味を持つのか、が明らかとなり、そして、株価の動きとの関係も参考にしながら、投資対象として適切な銘柄を自ら判断することができるようになります。

今回分析対象とした5社とは?

2212 山崎製パン/ 2216 カンロ/ 2226 湖池屋/ 4248 竹本容器/ 6067 メディアフラッグ

各銘柄の特徴と株主優待の内容は?

2212 山崎製パン

パンで国内シェア4割の最大手。菓子パンが柱。コンビニも展開。子会社に菓子の不二家、東ハト

株主優待は、年1回、ヤマザキの製品詰め合わせ3,000円相当がもらえます。詰め合わせは、カステラ、パウンドケーキ、ようかん、ジャムの組み合わせが多いようです。

2216 カンロ

のどアメなどキャンデー主力。三菱商事が販売総代理店。グミも第2の柱に成長。素材菓子も

株主優待は、年1回、カンロ飴を中心とした自社製品500円相当がもらえます。

2226 湖池屋

菓子中堅。粒菓子も。日清食品HDが筆頭株主。16年10月、組織再編しフレンテから社名変更

株主優待は、年2回、お菓子好きにはうれしいスナックの詰め合わせ(1000円分)がもらえます。

4248 竹本容器

化粧品・食品向け主力のプラスチック製包装容器専業。自社開発の金型多数保有し短納期に強み

株主優待は、自社開発の包装容器を使用した特選品がもらえます。オリジナル容器の中には、特選紅茶、チョコレート、ゼリーなどが詰められているそうです。

6067 メディアフラッグ

電子看板を中心とした店頭販売促進施策が収益柱。覆面店舗調査やデータベース提供も併営

株主優待は、年1回、優待ポイント(3,000ポイント~)がもらえます。優待ポイントは、「メディアフラッグ・プレミアム優待倶楽部」でお菓子など1,000種類以上の優待商品と交換できます。

(以上、Yahooファイナンスの企業情報、および、各企業のHPより引用)

12月権利確定の株主優待銘柄!「お菓子」提供の5社!!3年間の業績をマーケティング分析手法を使って分析した結果は?

12月権利確定の株主優待銘柄である「お菓子」提供の5社を分析する指標は8つ(ROA、ROE、売上高経常利益率、総資産回転率、自己資本比率、売上高成長率、キャッシュフローマージン、フリーキャッシュフロー)です。

8つの指標を選んだ理由については、マーケティング分析手法を応用した株スクリーニングに使用する8つの指標は?で説明していますので、そちらを参考にしてください。

そして、今回の分析対象期間は、2015年度、2016年度、2017年度です。

6月決算が、2226 湖池屋、その他の銘柄は12月決算となっています。

12月権利確定の株主優待銘柄!「お菓子」提供の5社!!その3年間のポジショニングの変化は?

5社の3期分の財務データから8つの指標を算出し、マーケティング分析手法の一つである因子分析を実施。

その因子得点を求め、ポジショニングマップ上に示しました。

は2015年度、は2016年度、は2017年度を示しています。

ポジショニングマップは、横軸の右方向に行けばいくほど、収益性が高いことを示しており、縦軸の上方向へ行けばいくほど、総合力が強いことを示しています。

この後、個別の銘柄ごとにポジション変化の状況と、業績変化との関係を見ていきます。

各銘柄のポジショニングに変化は?

2212 山崎製パン

ポジショニングマップは、左側エリアに位置し、5社の中で比較的収益性が低いことを示しています。

2015年度から2016年度にかけて、ポジションが右に移動していますので、収益性が高くなっていますが、2017年度には左へ移動していますので、収益性が低くなったことを示しています。

縦軸方向では、ほぼ中心にありますので、5社の中では平均的な総合力であることを示しています。

株価は、3年間の平均伸び率(CAGR)が-10.4%と下落しています。

年度ROAROE経常

利益率

総資産

回転率

自己資本

比率

売上高

成長率

CF

マージン

フリーCF

10億円

20154.0%4.3%2.8%146.5%35.8%3.2%5.4%20.7
20165.2%6.6%3.5%148.0%39.6%1.4%6.0%20
20174.3%8.4%3.1%140.9%42.3%1.1%5.4%22.7

指標は、成長性を示す売上高は3年間を通して増加していますが、その伸び率は年々鈍化しています。

収益性を示す経常利益率は、2016年度に上昇していますが、2017年度には低下しています。これは、売上高の伸びの鈍化や、コスト増加が原因かもしれません。

総合力を示すROEは、年々上昇していますが、ROAは2017年度に低下しています。

これは、経常利益率が2017年度に低下したことがROAの数値に影響しています。

一方、ROEが年々上昇しているのは、損益計算書上の特別利益の計上があったものと思われます。

 

2216 カンロ

ポジショニングマップは、2015年度から2017年度にかけて、左側エリアから右側エリアへ移動する動きになっています。

このことは、2015年度と2016年度は、5社の中で比較的収益性が低かったのですが、2017年度には収益性が高くなっていることを示しており、年々、収益性を向上させているということになります。

一方、縦軸方向に対しては、2016年度に上方向へ移動していますので、総合力が高まっていますが、2017年度には2015年度と同様のポジションに戻っていますので、総合力が弱まったことを示しています。全体として、ほぼ中心付近にポジションがありますので、5社の中では平均的な総合力であると言えると思います。

株価は、2年間の平均伸び率(CAGR)が+14.4%と上昇しています。

年度ROAROE経常

利益率

総資産

回転率

自己資本

比率

売上高

成長率

CF

マージン

フリーCF

10億円

20151.7%0.9%1.5%113.5%54.3%4.7%7.5%0.1
20163.4%5.2%3.1%109.9%54.3%0.2%10.0%1.8
20175.5%4.5%4.7%116.6%54.7%8.1%7.1%0.7

指標は、成長性を示す売上高が年々増加していますが、2016年度には鈍化しています。

収益性を示す経常利益率が年々上昇しており、その影響で、総合力を示すROAも年々上昇しています。一方で、ROEは、2017年度に低下していますので、損益計算書上の特別損失があったと考えられます。

経常利益率が年々上昇していることが、ポジショニングマップの左から右への動きとして現れています。

一方、ROEが2016年度に上昇し、2017年度に低下している影響が、ポジショニングマップの動きとして現れています。

2226 湖池屋

ポジショニングマップは、左側エリアに位置し、5社の中では比較的収益性が低いことを示しています。

横軸方向の動きはほとんどありませんので、収益性は3年間同様の状態にあると考えられます。

縦軸方向では、ほぼ中心に位置していますので、5社の中では平均的な総合力であることを示しています。2015年度から2016年度に総合力が強くなっていますが、2017年度には2015年度より弱くなっているようなポジションの変化になっています。

株価は、3年間の平均伸び率(CAGR)が+40.0%と大きく上昇していますが、これは、この位置取りとポジションの変化からは考えにくいところです。

年度ROAROE経常

利益率

総資産

回転率

自己資本

比率

売上高

成長率

CF

マージン

フリーCF

10億円

20152.4%2.2%1.5%160.4%59.6%4.1%3.7%2.2
20162.4%2.5%1.5%154.6%61.9%-6.6%2.5%-0.5
20171.6%1.1%1.1%140.5%52.3%6.4%7.5%2.4

指標は、成長性を示す売上高が2016年度に減少していますが、2017年度には増加へ転じています。

収益性を示す経常利益率は、2015年度、2016年度と変化がありませんが、2017年度には低下しています。

総合力を示すROA、ROEも2017年度には低下しています。

この指標の推移からも、株価の大幅な上昇の説明がつきません。

何かイベントがあったのだと考えるしかありません。

4248 竹本容器

ポジショニングマップは、右側エリアに位置し、5社の中で比較的収益性が高いことを示しています。

縦軸方向では、ほぼ中心に位置していますので、5社の中で平均的な総合力であることを示しています。

また、ポジションは、2015年度から2016年度にかけて左側へ移動していますので、収益性が低くなったことを示し、2017年度には右側へ移動していますので、収益性が改善しているのですが、2015年度のポジションまで戻っていませんので、収益性が回復したとは言えない状況にあると思われます。

株価は、3年間の平均伸び率(CAGR)が、+5.4%と下落しています。

年度ROAROE経常

利益率

総資産

回転率

自己資本

比率

売上高

成長率

CF

マージン

フリーCF

10億円

201511.6%15.5%10.4%111.5%50.9%10.5%11.7%-0.3
201610.1%14.5%10.0%101.2%47.4%4.7%13.4%-0.5
20179.9%14.3%10.1%97.6%53.9%11.0%15.8%0.4

指標は、成長性を示す売上高が、2016年度に伸びが鈍っていますが、年々堅調に増加しています。

収益性を示す経常利益率は、3年間ほとんど変わらず10%台をキープしています。

総合力を示すROA、ROEが、年々低下傾向にあるのが気になるところです。

6067 メディアフラッグ

ポジショニングマップは、左側エリアに位置し、5社の中で比較的収益性が低いことをしめしています。

縦軸方向では、2015年度が中心より下に離れたところにポジションがありますが、2016年度からは左上側エリアへ大幅に移動していますので、総合力が強くなったことを示していますが、これは、何か大きな施策を実行して資産圧縮をしたことによるものと推察します。

株価は、3年間の平均伸び率(CAGR)が+26.5%と上昇しています。

年度ROAROE経常

利益率

総資産

回転率

自己資本

比率

売上高

成長率

CF

マージン

フリーCF

10億円

20151.7%-53.6%1.2%141.0%13.1%32.0%1.8%0.3
20165.8%23.6%3.6%159.0%21.5%-10.8%5.5%1
20177.1%38.9%4.2%170.2%43.9%-13.5%4.7%0.1

指標は、成長性を示す売上高が2015年度に32%の伸びを示しましたが、2016年度、2017年度は減少してます。

収益性を示す経常利益率は、年々上昇しています。

総合力を示すROA、ROEも年々改善し上昇していますが、2015年度から2016年度の変化の度合いが大きく、この時期、資産圧縮などの大きな施策を実行したことで、バランスシートが大きく変わった可能性があります。

効率性を示す総資産回転率も数値が良くなってきています。

12月権利確定の株主優待銘柄!「お菓子」提供の5社!!そのポジショニング分析から見えてきたことは?

ポジショニング分析では、マップ上の位置と、3年間のポジションの変化を見て、投資対象とするか否かの判断をすることになります。

マップ上では、中心より右側に位置していれば、今回分析の5社の中で収益性が高いことを示しています。

また、3年間のポジションの変化が、左から右へと移動していれば、収益性が高くなってきていると判断できます。

ポジショニングマップ上で右側に位置している銘柄は?

2216 カンロ、4248 竹本容器が該当します。

ポジショニングマップ上で3年間のポジションが左から右へと移動している銘柄は?

2212 山崎製パン、2216 カンロが該当します。

ポジショニング分析から見たおススメの銘柄は?

以上、2つの視点両方に該当する銘柄は、2216 カンロでした。

この銘柄をポジショニング分析から見たおススメの銘柄にしたいと思います。

2216 カンロ!株主優待の内容は?

そして、銘柄の株主優待情報を調べてみました。

証券

コード

銘柄名株価

(10/4)

株主優待

株数

最低

取得額(円)

1株あたり配当金(円)配当

利回り

株主優待(円)内容

(食事券)

優待

利回り

2216カンロ4,900円100490,000651.33%500カンロ飴など0.10%

現状、銀行預金、郵便貯金の利率がほぼゼロに等しい現状を考えれば、業績が良くて株価上昇期待もあり、しかも、配当金も株主優待も貰える、この銘柄は投資対象として魅力的ではないでしょうか?

この銘柄は12月権利確定ですので、まだまだ検討する時間はあります。

日々の株価の動きも見ながら、投資対象として検討してみては如何でしょうか?

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